ドイツ政府、年末までに停止予定の最後の3基の原発の稼働延長を検討

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ロシアが欧州への天然ガス供給を止めるとの懸念が高まる中、ドイツ政府は今年末までに稼働停止を決めていた国内の原発3基を来年以降も稼働させるかの検討に入った。

一貫して稼働延長に反対してきた連立与党の「緑の党」からも、延長容認とも取れる声が出始めているとされる。

ロシア国営 Gazprom は6月14日、天然ガスパイプラインNordstream 1 の供給量を40%減らすと発表、翌15日、さらに33%削減すると発表した。(合計60%カット)

従来の日量最大1億6700万立方メートルであったが、16日午前1時半をもって供給量は最大6700万立方メートルになる

Gazpromは7月25日、Nordstreamについて、新たに送ガス用タービン1台の修理を始めると発表。27日から供給量を6月中旬までの約2割に減らす。

ドイツはロシアの天然ガスに大きく依存している。侵攻前、ドイツはガスの55%をロシアからの輸入に頼っていた。

来冬の需要に備え、天然ガスの貯蔵が必要だが、現時点ではドイツのガス貯蔵量は最大能力の5~6割程度にとどまっている。

ドイツのハベック経済・気候相は6月19日、ロシアからの天然ガス供給が大幅に減る事態に備え、発電に利用するガスの消費量を減らし、石炭火力発電の稼働を拡大させる法整備を進めると発表した。

2022/6/21 ドイツ、ロシア天然ガス減で、石炭火力を拡大

欧州連合(EU)は7月26日、ブリュッセルでエネルギー相理事会を開き、ロシアが欧州へのガス供給を一段と減らし、欧州のガス在庫が枯渇する懸念が強まっているのを受け、8月から2023年3月までの天然ガスの消費を過去5年の平均に比べて15%減らすことで合意した。

2022/7/29 EU、ガス消費15%削減で合意

この状況下で、公約であった本年末の原発完全停止を改め、来年以降も残る3基を稼働させる検討に入ったもの。

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ドイツでは、電力会社4社が17基の原発を運営していた。

2002年に当時のSchröder政権(ドイツ社会民主党と緑の党の連立政権)が原子力法を改正し、原発の運転年数を32年と定めて順次停止し、2022年までに原発を廃止すること、原発の新規建設は認めないことを決定した。

しかし、2009年にMerkel 政権(キリスト教民主・社会同盟と自由民主党の連立政権)が成立し、方向転換した。

ところが、2011年3月11日の福島第一原発事故で、この決定が覆ることになった。
メルケル政権は、福島原発事故後のドイツ国内の反原発運動の圧力に抗いきれずに、すべての原発を2020年までに廃止するという以前の決定を受け入れることになった。

2011年6月末のドイツ連邦議会で、この決定が513対79で可決された。
この決定で、8基の旧型の原発が2011年に廃止され、9基の原発は2022年までにすべて廃止されることが確定した。

9基のうち、6基については2021年までに停止した。残る3基(Emsland、Neckarwestheim 2、Isar-2)が2022年12月31日に稼働を停止し、脱原発が完了する予定であった。

原子力発電所 業者

停止時期

2011年 2015年 2017年 2019年 2021年 2022年
Kruemmel Vattenfall
Brokdorf E.On
Brunsbuettel Vattenfall
Unterweser E.On
Emsland RWE / E.On
Grohnde E.On
Grafenrheinfeld E.On
Biblis RWE 2基
Philippsburg EnBW
Neckarwestheim EnBW
Gundremmingen RWE/E.On
Isar E.On
合計  17基 8基 1基 1基 1基 3基 3基
停止済み




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