韓国のバイオ医薬品メーカーのSK BioScienceは、新型コロナウイルスの国産ワクチン スカイコビワン(SKYCovione)の量産を始めた。韓国防疫当局と供給契約を結び、8月末に出荷する。
東部の安東市で生産し、今後2年間で1000万回分を供給する契約を政府と結んだ。
欧州当局にも承認を申請しており、国際的な枠組み「COVAX」を通じ、世界各地への供給を目指す。
SKY Covione は、ノババックス製ワクチンのように遺伝子組換え技術(抗原タンパク質を直接注入して免疫反応を誘導)に基づいて作られた。
18歳以上の成人を対象とし、4週間おきに計2回接種する。2~8℃の冷蔵流通と長期保管が可能で、発展途上国にも供給しやすい特長がある。
臨床試験は韓国、フィリピン、ウクライナ、タイ、ベトナム、ニュージーランドの6カ国で行われた。
満18歳以上の成人4037人を対象にしたグローバル臨床3相の結果、ワクチン接種後、中和抗体が4倍以上上昇した対象者の割合を意味する抗体転換率が98%以上であることが確認された。 中和抗体も接種前に比べて33倍増加し、対照ワクチンと比べて3倍高い中和抗体が形成された。
安全性の側面でも対照ワクチンに比べ、類似した水準で異常反応率を示し、臨床試験期間中に特別な安全性問題が報告されなかった。
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韓国食品医薬品安全処は6月29日、SK BioScienceが開発した「韓国製第1号」の新型コロナウイルス感染症ワクチン「SKY Covione」の使用を最終承認する「品目許可」決定を下した。
最終点検委員会の会議を経て、臨床試験の最終結果報告書を提出する条件で、SKY Covioneに対する品目許可を決定した。
これにより、韓国は新型コロナワクチンと治療薬(レッキロナ)を開発した国になった。ワクチンと治療薬の開発技術をいずれも保有している国は米国、英国に続き韓国が3番目とされる。
韓国のバイオ製薬企業Celltrion グループは2021年11月、同社のモノクローナル抗体治療薬「レッキロナ:Regkirona」(Regdanvimab)が新型コロナ治療薬として欧州委員会から承認されたと発表した。第3相臨床試験で、入院または死亡のリスクを72%低減することが示された。
既に韓国でも承認済みで、インドネシアとブラジルで緊急使用認可を得ている。同社は現在、世界30カ国以上の規制当局とも協議中で、世界市場での提供を進めている。
2020/7/24 韓国のセルトリオン、COVID-19の治療薬の臨床試験開始
SK BioScienceは7月13日、SKY Covioneを追加接種(ブースターショット) した時、オミクロン(BA.1)に対する免疫反応が現れたと明らかにした。
健康な成人81人を対象に基礎接種(2回)後、7ヵ月が過ぎた時点で、追加接種した結果、オミクロン株を中和して予防効果を誘導できる中和抗体価が2回接種直後と比べ、25倍増加した。
また、2回接種後、7ヵ月経過時点(ブースターショット接種直前)に比べ、72倍高かった。
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