ペロシ下院議長の訪台の影響

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英紙 Financial Timesは7月18日、 米国のペロシ下院議長が8月におけるアシア歴訪の一環として「台湾訪問を予定している」と報じた。

バイデン大統領は7月20日、ペロシ氏の訪台について「軍は良い考えであるとは思っていないようだ」と発言し、訪台に対する否定的な態度を示した。

中国の習近平国家主席は7月28日、米国のバイデン大統領と電話会談を行った。
席上、習主席はペロシ下院議長の訪台中止を求め、「もし中国の民意に逆らって火遊びをすれば、大やけどを負うことになるだろう(「玩火自焚」)」と述べた。

しかし、ペロシ議長は8月2日夜、マレーシアから台湾に入った。
中国の妨害を避けるため、大迂回する航路をとった。(Flightradar 24)



習主席からバイデン大統領への直接の訪台中止要請を無視された中国は猛反発した。

中国軍は8月3日、8月4日から7日までの4日間、台湾を取り囲むように6カ所の空海域を設定し、実弾射撃を伴う「重要軍事演習行動」を実施すると発表した。

8月4日、台湾沖に弾道ミサイル「東風」 11発を発射した。日本の防衛省は9発を確認、うち5発 (下図⑤~⑨)が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと発表、中国側に抗議した。
下図の
与那国島からわずか80キロの場所に落下した。

防衛省は4発(⑥~⑨)が台湾上空を通過したと推定している。

これに対し、中国外務部の報道官は、「両国は関連海域で境界を画定しておらず、演習区域に日本のEEZが含まれるという見解は存在しない」と主張した。



中国政府は8月5日、米国への対抗措置を発表した。

①中米両軍幹部の電話協議の手配取り消し
②中米国防当局の実務者会合の取り消し
③中米海上軍事安全協議メカニズム会議の取り消し
④不法移民者の送還に関する協力の一時停止
⑤刑事司法協力の一時停止
⑥国際犯罪取り締まりにおける協力の一時停止
⑦麻薬禁止における協力の一時停止
⑧気候変動問題に関する話し合いの一時停止――の8項目。

また、ペロシ下院議長とその直系親族に「制裁措置を取ることを決めた」とも発表した。具体的な制裁内容は明かしていない。

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中国の海関総署は8月1日、台湾の食品輸入に関する規制の対象を広げた。水産品をはじめ、ビスケットなどの菓子類、茶葉、蜂蜜関連商品などを扱う複数企業の商品が、新たに輸入を一時停止された。

「ビスケット、ケーキ、パン」の項目に登録されている台湾企業107社のうち、35社が「輸入一時停止」とされた。

茶葉業者3社や水産品を扱う漁船約700隻も同様の措置となった他、ドライフルーツや蜂蜜関連商品、カカオ豆、野菜などでも影響を受けている企業がある。

中国商務部は8月3日、台湾向けの天然砂(岩石を風化させた製品)の輸出を同日から停止したと発表した。建設業、ガラス工業、金属洗浄に使用されるケイ砂(シリカ)や石英砂 が対象。

中国 国務院の台湾事務弁公室は8月3日、「関連規定と食品安全要求・基準に基づき、台湾地域から大陸に運ばれるグレープフルーツ、レモン、オレンジなどかんきつ類の果物や、チルド品のタチウオ、冷凍マアジについて、本日から輸送を一時停止すると述べた。

グレープフルーツ、レモン、オレンジについては、害虫のコナカイガラムシや、フェンチオンとロイコナゾールの過剰な残留農薬が検出 されたとしている。

チルド品のタチウオ、冷凍マアジについては、包装材から新型コロナの陽性反応が出たための新型コロナ予防を理由としている。

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中国は2021年3月1日には、台湾産パインの輸入を禁止した。2020年以降に何度も害虫が検出された とし、国内の生態系を守るためとしている。

また、2021年9月20日は台湾産の果物の釈迦頭とレンブ(蓮霧) について、何度も害虫が検出された として輸入を禁止した。

本年6月13日には、海水魚ハタ について、禁止薬物の検出や抗生物質の基準超過を理由に、輸入を禁止している。

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