IPEF交渉入りで合意

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米国が主導する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚会合が9月9日に閉幕し、14カ国が正式な交渉入りに合意した。

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バイデン米大統領は5月23日、新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の発足を表明した。日米と韓国、インドなど計13カ国を創設メンバーとし、中国に対抗してサプライチェーンの再構築やデジタル貿易のルールづくりなどで連携する。

5月26日にフィジーが参加、14か国となった。赤字が当初の13カ国、青字が追加参加。

ASEAN 東アジア 南アジア ANZ 旧NAFTA Mercosur その他 参加申請
RCEP TPP マレーシア 日本 豪州 カナダ ペルー 英国、
中国、台湾、
エクアドル
シンガポール NZ メキシコ チリ
ベトナム
ブルネイ
フィリッピン 韓国 米国 フィジー(5/26)
インドネシア 中国
タイ
ミャンマー
ラオス
カンボジャ
インド


2022/5/21 
インド太平洋経済枠組み(IPEF:Indo-Pacific Economic Framework)


9月8日~9日にロサンゼルスで開いた初の対面による公式閣僚級会合で各国が交渉入りを確認した。日本からは西村経済産業大臣が出席した。

(1)貿易(2)供給網(3)エネルギー安全保障を含むクリーン経済(4)脱汚職など公正な経済――の4分野で、それぞれ閣僚声明を採択した。
インドが貿易分野への参加を見送るほかは、すべての国が4分野に加わる。インドは貿易分野にオブザーバーとして関与する。


(1)貿易分野の声明では、デジタル経済や農業、貿易円滑化などの交渉事項を示した。農業では食料安全保障を重視しつつ、農産物の不当な輸出制限は避けるよう促す。
関税撤廃などは交渉の対象外となっている。

インドが貿易分野への参加を見送った。

インドのゴヤル商工相は記者会見で「我々はデジタル経済を形成する過程にある」と述べ、データやプライバシーを巡るルールへの参加を求められることに警戒感を示した。「参加国がどのような利益を得られるのかまだ見えていない」とも語った。

(2)供給網に関する声明では、供給の途絶時や混乱時に政府間で連携する「情報共有と危機対応のメカニズム」の構築を盛り込んだ。

具体的には有事の際の情報収集や危機対応にあたる調整役を各国が任命し、半導体や医療品といった重要物資の在庫を融通できるようにすることもめざす。

陸上や航空、水路、海運、港湾などのインフラを含めた物流の強化にも触れた。物流データの収集・利用を促進し、物流の改善に向けた投資や技術協力を進める。

(3) クリーン経済の声明では、再生可能エネルギーへの移行に必要なインフラ整備を進める考えを示した。

(4) 公正な経済の声明では汚職の防止や犯罪収益の把握に取り組むことや、グローバル企業への二重課税を防ぐために協調することを明記した。


西村経済産業大臣は会合のあとの会見で次のように述べた。

IPEFは、自由で開かれたインド太平洋の実現を経済面から取り組む枠組みだ。TPPに参加していないアメリカが、インド太平洋に経済的に関与する、戦略的な観点からも重要なものだ。

(今後の交渉で日本が果たす役割について) 今回の閣僚声明は14か国が参加する大きな一歩だが、ここからがスタート地点だ。今回の熱気や勢いを生かしながら、成果があがるよう積極的に貢献したい。

また、アメリカがTPPを離脱している現状について「TPPは高いレベルのルールのほか、微妙な品目もあるが、関税などをできるだけ引き下げて、自由で公正な経済圏を作っていくものだ。これまでも一貫してTPP復帰が望ましいとアメリカ側には伝えている」と述べ、IPEFの交渉と並行して、アメリカにTPPへの復帰を求めていく考えを示した。

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