上海協力機構首脳会議でウズベキスタン滞在中の中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、モンゴルのフレルスフ大統領が9月15日に会談し、ロシアの天然ガスをモンゴル経由で中国に運ぶパイプラインの建設を進めることで合意した。
今回合意したのは2本目の「シベリアの力2」プロジェクト で、中国国内のガスパイプラインに接続する。
3か国は経済や金融などの分野での協力を深めることでも一致した。
プーチン大統領はこれに先立ち、9月7日にモンゴル首相と会談、本件で協議したが、ロシアの国営石油会社ロスネフチがモンゴル政府と石油製品の供給を巡る協力の拡大で合意したことを明らかにしている。
2014年11月9日にロシアのプーチン大統領は中国の習近平国家主席と会談したが、中露は両首脳立ち会いのもと、ロシアのシベリア産天然ガスを西シベリアの国境経由で中国に送るPower of Siberia 計画の覚書など17の合意文書に署名した。
2014年9月時点でプーチン大統領は、「ロシアと中国は西ルートでもガスを供給することを協議する」と述べ、西シベリアからモンゴルの西側を通り中国につなげる2本目も敷設することを明らかにしていたが、このAltai Pipelineの建設でも合意した。
(2015年時点で無期延期との情報が流れた。)
ロシアと中国は2019年12月2日、Power of Siberia を開通させた。
ガス田からの約2200kmが稼働、国境地点でCNPCが建設したパイプラインと接続した。
2014/5/26 ロシアのGazprom 、中国への天然ガス供給契約に調印
今回のPower of Siberia 2はモンゴルを縦断するもので、何年も前から検討してきた。
Power of Siberiaの年間輸送能力は610億立方メートルだが、今回のPower of Siberia 2は500億立方メートルと、ドイツ向けのNordstream 1を若干下回る。
ウクライナ侵攻を受け欧州諸国がロシア産エネルギーへの依存度を低下させる中、中国向けの新たなパイプラインはロシアの重要な収入源になるとみられている。
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