バイデン米大統領、国内バイオ産業振興の大統領令に署名

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バイデン大統領は9月12日、国内バイオ産業振興に関する大統領令 (Executive Order on Advancing Biotechnology and Biomanufacturing Innovation for a Sustainable, Safe, and Secure American Bioeconomy)に署名した。


外国産の材料やバイオプロダクションに過度に依存しているバイオテクノロジー関連産業の国内回帰を促し、国内サプライチェーンの強化などを目的と する。

ホワイトハウスが同日に発表したFACT SHEETによると、具体的な取り組みとして、下記を掲げている。

 ・国内バイオ製造能力の拡大 (現状は国内インフラ欠如により、海外で生産)
 ・バイオ製品の市場機会拡大 (政府機関による調達:BioPreferred Program)
 ・研究開発の推進 (政府の集中的なサポート高品質の連邦データへのアクセス改善)
 ・専門人材育成
 ・バイオ産業製品に対する規制合理化
 ・リスクを軽減するためにバイオセーフティとバイオセキュリティを推進
 ・米国のBiotechnology Ecosystemの保護
 ・パートナーや同盟国と共に、繁栄し、安全なグローバル バイオエコノミーを構築

バイオ産業の国内投資の成功例として、新型コロナウイルスに対抗するmRNAワクチン開発を挙げ、同ワクチン開発に際して政府による集中的なサポートが迅速な生産・普及につながったとしている。

バイオ産業振興に関連して、バイデン大統領は大統領令署名後の演説で、がんの死亡率減少に向け、新たな治療薬開発を促進させる考えを述べた。

米国では、がんは心臓病に次ぐ第2位の死因となって いるが、バイデン政権はCancer Moonshot Initiative というがん対策を進めており、今後25年間でがん死亡率を半減させることを目指している。

2016年1月12日に行われたオバマ大統領最後の一般教書演説で、Cancer Moonshot Initiativeが発表された。がん研究のスピードを次年度から5年間で倍増させることを目指した。

バイデン大統領は演説で「 かつて月に到着するために行ったように、米国の創意工夫を結集させた上で、がん治療に向けた長期目標を設定している」と述べ、がん予防のワクチン開発やがん検知の血液検査などを例に挙げ、研究開発を促進し、がん治療に取り組んでいく考えを表明した。

ホワイトハウスは9月14日、国内のバイオテクノロジー産業に対する20億ドル超の投資計画の詳細を明らかにした。

20 億ドル以上の資金を調達して、大統領令を推進し、価格を引き下げ、雇用を創出し、サプライ チェーンを強化し、健康状態を改善し、炭素排出量を削減する。

バイオテクノロジーを活用してサプライチェーンを強化

保健社会福祉省は、4,000万ドルを投資して、医薬品有効成分 (API)、抗生物質、および必須医薬品の製造とパンデミックへの対応に必要な主要出発原料のバイオ製造の役割を拡大

国防総省は、燃料などの防衛サプライ チェーン向けのバイオベースの材料の高度な開発をサポートするために、5 年間で 2 億 7000 万ドル以上を投資

エネルギー省 は、運輸省、農務省と協力して、燃料、化学物質の国内サプライ チェーンを提供するために、米国の推定 10 億トンの持続可能なバイオマスおよび廃棄物資源を活用する。

国内でのバイオ製品の製造拡大

国防総省は、バイオ産業の国内製造インフラストラクチャに 5 年間で 10 億ドルを投資する。

これらの施設のバイオセキュリティとサイバーセキュリティ体制の強化をサポートするために、さらに 2 億ドルを投資する。

農務省 は、2022 年夏に5億ドルの新しい助成金プログラムを通じて 米国の肥料生産を支援する。

全米でイノベーションを促進

バイオ製品を市場に投入

エネルギー省は、バイオマスを燃料や化学物質に変換するための研究開発に最大 1 億ドルを提供、また、バイオテクノロジーとバイオ製造のスケールアップのリスクを軽減するために、さらに 6,000 万ドルを追加

次世代のバイオテクノロジー研究者の育成

規制改革 その他

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