昭和電工、来年1月に昭和電工マテリアルズと統合、「レゾナック」に改称

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昭和電工は9月29日、同日の臨時株主総会の承認を得て、来年1月1日に持株会社体制へ移行、昭和電工マテリアルズ(買収した日立化成)と統合し、「レゾナック」になると発表した。

昭和電工マテリアルズが昭和電工の事業を承継し、「㈱ レゾナック」となり、昭和電工は持株会社の「㈱ レゾナック・ホールディングス」となる。

統合新会社の誕生を「第2の創業」と位置づけ、世界トップクラスの機能性化学メーカーを目指してさらなる変革を進めるとしている。


統合新会社レゾナックは「化学の力で社会を変える」をパーパスに掲げる。「共創型化学会社」として、共創を通じて持続的な成長と企業価値の向上を目指す。

新社名の「RESONAC」は、英語の「RESONATE:共鳴する・響き渡る」と、CHEMISTRYの「C」を組み合せることから生まれた。グループの持つ幅広く自在な先端材料テクノロジーと、パートナーの持つさまざまな技術力と発想が強くつながり大きな「共鳴」を起こし、その響きが広がることでさらに新しいパートナーと出会い、社会を変える大きな動きを創り出していきたいという強い想いを込めている。


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昭和電工は2019年12月18日、日立化成を株式公開買い付け(TOB)により買収すると発表、1株あたり4630円で2020年3月24日から4月20日までTOBを実施した。

TOBの結果、87.61%を取得した。4月28日付で昭和電工の連結子会社になり、その後全株式を取得し、6月23日に完全子会社とした。
6月19日に上場廃止となった。

日立製作所の持株は51.29%であったが、買付け後の株式等所有割合が1/3を超える場合はTOBによる実施が義務付けられる。TOBに上限を設けた場合、応募株券等の数の合計が上限を超えるときは、あん分比例の方式により応募株主から平等に買付けを行うものとされている。日立は全持ち株の売却を考えているため、全株を買わざるを得ない。

昭和電工は買収資金9700億円を次により手当てした。

昭電 みずほ銀行からの融資 2,950億円
HCホールディング みずほ銀行、日本政策投資銀行にA種優先株を発行 2,750億円
みずほ銀行からノンリコースローン 4,000億円
合計   9,700億円

買収によるノレン代は6259億円で、長期的に大きな負担となる。

(億円) 総額 償却期間

償却額

2020年 2021年
無形
固定資産 
顧客関連 1,549 20年 39 77
技術関連 571 7年 41 82
その他 39 20年 1 2
合計 2,159   81 161
のれん 3,651 20年 91 183
小計(営業費用) 5,810   172 344
投資有価証券(営業外) 449 20年 11 22
合計 6,259   183 366


昭和電工は連結子会社化した日立化成の社名を2020年10月1日付で「昭和電工マテリアルズ」に商号変更した。

2019/12/25 昭和電工、日立化成にTOB 

2021/2/19  昭和電工の2020年12月決算



昭和電工は2021年7月8日、昭和電工マテリアルズの鉛蓄電池事業を投資ファンドのアドバンテッジパートナーズとリース大手の東京センチュリーに売却すると発表した。事業売却で得た資金で昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)の買収で悪化した財務を改善させるほか、半導体材料の生産能力増強や開発投資に充てる。

2021/7/17 昭和電工、鉛蓄電池事業を売却

昭和電工は2022年3月9日、2023年1月をめどに、同社とグループ会社の昭和電工マテリアルズを統合した持ち株会社制への移行について検討と準備を開始すると発表した。
また、持ち株会社制移行後の新社名として、持ち株会社を「株式会社レゾナック・ホールディングス」、事業会社を「株式会社レゾナック」とすることも決めた。

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今回の統合で、新会社の売上高は約1兆3,000億円(2021年決算ベース)となり、うち半導体・電子材料分野の売り上げが約4,000億円を占め る。なかでも、半導体の微細化に限界が見えるなか新たに注目が集まる「後工程」分野において、圧倒的なグローバルトップ企業の誕生となる。

昭和電工は石油化学事業、黒鉛電極事業、機能性材料事業など、安定的に収益を稼げる事業を有している。
一方、昭和電工マテリアルズは半導体材料事業や自動車材料事業など成長の期待される事業に強みを持っている。

両社の統合により、安定事業で得た収益を成長事業へ集中投資することが実現し、さらなる成長を目指す。



セグメント概況

SDKマテリアルズの2021/12月期の営業損益には、のれん等の償却費等約334 億円を含む。

無機の損益の変動は、「黒鉛電極」の損益で、「バブル」で一時的に膨大な利益を計上、反動で赤字も大きかったが、通常の形に戻った。



新体制へ組換え(2021年12月期を組換え)      昭和電工報告書2022 より

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