中国最大の超深度油田の石油・天然ガス生産量が1000万トン以上に

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中国石油天然ガス集団有限公司(CNPC)は10月9日、タクラマカン砂漠奥地にある中国最大の超深度油田「富満油田」の石油・天然ガス生産量が累計で1000万トンを超えた(原油 867 万トンと天然ガス 16 億立方メートル)ことを明らかにした。

「富満油田」があるタリム油田は、中国で3番目の石油・天然ガス田で、「西気東輸」(西部地域の天然ガスを東部地域に輸送するプロジェクト)の主なガス供給源となっている。


2012/12/29 中国の西気東輸 第三パイプライン 


新彊を構成する主要三盆地、ジュンガル盆地、タリム盆地、吐哈盆地それぞれが、豊富に石油や天然ガスを埋蔵しており、多くの油田やガス田が存在 する。これらの油田やガス田を大きく3つにまとめて、カラマイ油田、タリム油田、吐哈(トゥハ)油田と総称している。

カラマイ油田はジュンガル盆地西部に位置し、中国西部では最大の油田。2010年の産出量は原油1,089万t、天然ガス38億m3で、原油はパイプラインにより独山子、ウルムチの石油コンビナートに送られ精製され、主に鉄道で東部地域に送られ る。

タリム油田は原油より天然ガスが主で、2010年の産出量は原油554万t、天然ガス183億m3。西气東輸パイプラインの国内最大の供給源で、昨年は158億m3が東部地区へ送られた。
原油はパイプラインで塔中~輪台~コルラと送られた後、主に鉄道で東部地域に送られる。

これら二つの油田地帯と比べると、吐哈油田の産出量は少なく、2010年の産出量は原油換算で244万tだった。

「富満油田」はタリム油田の一つ。

「死の海」として知られるタクラマカン砂漠の後背地に位置し、中国で発見された最大の超深海 ・断層制御・断層洞窟・炭酸塩貯留層で、この油田の石油とガスは、7,500 メートルから 10,000 メートルの超深度に埋もれている。

世界でも珍しい超大深度・超高温・超高圧という特徴を持っているため、貯留層の認識・特定は極めて困難で 、ドリルビットを精密に制御して石油やガスの貯留層の超深度地下掘削を行う場合、それは地下のエベレスト山を横切る「ターゲット」に相当し、その難易度は 100mの距離で「針に糸を通す」ことにも劣 らないとされる。これまで8,000メートルを超える「地下のエベレスト」は累計58カ所突破された。

確認埋蔵量は10億トンを超えており、今年に入ってからは1000トン級の油井を4基、100トン級の油井45基を新たに掘削した。

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