米国の2023年の年金給付、生計費調整で8.7%の大幅アップ 

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米国で約7千万人に支給される年金給付(Social Security Benefit)が2023年は8.7%の大幅増額となる。

物価上昇に伴う生計費調整(COLA:Cost-of-Living-Adjustment)の規定によるもの。

前年第3四半期の勤労者消費者物価指数(Consumer Price Index for Urban Wage Earners and Clerical Workers =CPI-W) の平均を採用、これを 1年間適用する。

CPI-Wは、都市部の勤労者の消費パターンをベースにした物価指数 (下図の一般のCPIとは若干異なる)

1983年のCOLA(1982年3QのCPI-W)は+7.4%であったが、2023年はこれを超える大きな調整である。

2021年は+1.3%、2022年は+5.9%であった。

2022/1/6 米国の2022年の年金給付、生計費調整で5.9%の大幅アップ 



計算根拠:3Qの数値が翌年1年間の年金の「生計費調整」に使用される。

Consumer Price Index for Urban Wage Earners and Clerical Workers =CPI-W (1982-84 :100)
https://www.ssa.gov/oact/STATS/avgcpi.html

1Q 2Q 3Q 4Q
2018 242.790 245.524 246.352 245.919
2019 246.373 249.650 250.200 250.663
2020 251.557 250.030 253.412 253.994
2021 257.025 263.754 268.421 272.840
2022 279.472 288.380 291.901



前年比

1Q 2Q 3Q 4Q
2019 1.015 1.017 1.016 1.019
2020 1.021 1.002 1.013 1.013
2021 1.022 1.055 1.059 1.074
2022 1.087 1.093 1.087


参考  米国のCPI (CPI-W とは若干異なる)

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日本の場合は、下記の調整を行う。インフレ率が米国と比べ著しく低いうえに、賃金変動率優先原則、マクロ経済スライドがあり、大きな調整は期待できない。(仮に9月以降のCPIを8月と同じ 3.0%としても、年間では2.3%である)

既裁定者(68歳到達年度以後の受給権者)

2020年度 2021年度 2022年度 原則
直近1年の物価変動率(基本) +0.5% +0.0% -0.2%

基本は物価変動率
賃金変動率が物価変動率より低い場合は賃金変動率を採用*

過去3年の名目手取り賃金変動率 +0.3% -0.1% -0.4%
(採用) +0.3% -0.1% -0.4%
マクロ経済スライド
公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を改定率から控除
-0.1% -0.1%

当期  -0.2% 
繰越  -0.1%
計   -0.3%

上記の(採用)がマイナスの場合は、調整せず、その分を翌年に繰り越す。

最終改定率 +0.2% -0.1% -0.4%
マクロ経済スライド繰り越し -0.1% -0.3%


注)
65歳に到達し、新たに年金を裁定(決定)するときには、直近の賃金の動向を反映させるため、賃金の変動による改定(+マクロ経済スライド)を行う。(物価変動率が高い場合でも、それは採用されない。)
   

* 賃金・物価スライドについて、「支え手である現役世代の負担能力に応じた給付とする観点から」、賃金変動が物価変動を下回る場合には賃金変動に合わせて改定する。

2022/1/22 2022年度の公的年金支給額、前年度から0.4%引き下げ

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