プーチン大統領、クリミア大橋爆発の報復でウクライナに大規模ミサイル攻撃

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ウクライナで10月10日、首都キーウをはじめ各地でロシア軍による大規模なミサイル攻撃があり、14人が死亡し、97人がけがをしたほか、インフラ施設が被害を受けた。

ロシアのプーチン大統領は同日、ロシア国防省の提案と参謀本部の計画に従い、ウクライナの軍事、通信、エネルギー関連施設に対して長距離精密兵器による集中攻撃を行ったと発表した。

クリミア大橋での破壊工作をテロ行為だと指摘し、「ロシア連邦領内でテロ行為を実行する試みが続く場合、対応は厳しく、そして脅威のレベルに合致したものとなる」と強調した。

「キエフ政権はその行動によって事実上、国際テロ組織、最も唾棄すべき集団と自分自身を同列に並べた。この種の犯罪を対応せずに放っておくことは、すでにただ不可能だ」と述べ、「わが国の領土でテロ攻撃の試みが続くなら、その脅威のレベルに応じた規模で厳しく対応していく」と述べ、ウクライナ側を強くけん制した。


10日に行われたウクライナ情勢をめぐる国連総会の緊急特別会合ではおよそ20か国が演説し、ロシアへの非難が相次いだ。

翌11日もリビウや南部ザポロジエなど複数の都市で攻撃が続いた。

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ロシア南部のタマン半島とクリミア半島をつなぐクリミア大橋の自動車専用道で10月8日、貨物自動車(無人ボート説もある)が爆発し、 隣を走行中の貨車に引火、大規模な火災が発生、自動車道路の一部が崩落した。


プーチン大統領は下記についても触れた。

 ・ウクライナの情報機関はロシアのクルスク原子力発電所に対してすでに3回テロ行為を実施しており、発電所の高圧の送電線を何度も損傷させている。

 ・ザポリージャ(ザポロジエ)原子力発電所に対する攻撃を「原子力テロ行為」だと指摘した。


 ・ロシアの電力施設やガス輸送インフラに対してその他にも一連のテロが行われ、そこにはガス輸送システム「トルコストリーム(TurkStream)」の1区画での爆破の試みも含まれるという。

Turkish Streamは2ライン(各157.5億立方メートル)で構成されるガスパイプラインで、1ラインはトルコへの ガス供給、もう1ラインは南・南東ヨーロッパへの供給を予定している。

海底部分のうち660kmは中止になったSouth Stream用に予定されていたルート、その他に 250kmがトルコ向けの新ルートとなる。

黒海南西部沿岸の都市 Kıyıköyから陸上に入り、ギリシア国境のİpsala までの180kmが敷設される。

年間輸送能力は315億m3で、うちトルコが 半分を引き取る。
トルコからブルガリア、セルビア、ハンガリーを経由して欧州へと輸送する。

2020/1/10 トルコストリーム開通

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