塩野義製薬、COVID-19ワクチンS-268019の国内における製造販売承認申請

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塩野義製薬は11月24日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する予防ワクチン(開発番号:S-268019)について、成人における初回免疫(1回目、2回目接種)および追加免疫(3回目接種)によるCOVID-19の予防を適応として、日本国内における製造販売承認申請を行ったと発表した。

国内の製薬会社が開発を進めてきた新型コロナワクチンの承認申請は初めて。

S-268019は、同社グループ会社のUMNファーマが有するBEVSを活用した遺伝子組換えタンパクワクチンで、ウイルスの遺伝子情報から目的とする抗原タンパクを発現・精製後に、アジュバントを添加して投与される。

BEVS(Baculovirus Expression Vector System)は昆虫細胞などを用いたタンパク発現技術で、UMNファーマが有する技術ではバキュロウイルスや昆虫細胞由来の成分・病原ウイルスの混入なしに抗原タンパクの精製が可能である。

同社は2021年12月27日に、S-268019について、グローバル第3相臨床試験 をベトナムで開始したと発表している。

同社は安全性の観点から2種類のヘルパーT細胞のバランスを重視して選択したアジュバント を用いて、2020年12月より第1/2相臨床試験を実施してきた。

2021年7月末より、2種類のヘルパーT細胞のバランスを維持しつつもより高い中和抗体価の誘導が必要と判断し、アジュバントを変更した新製剤を用いて国内における第1/2相臨床試験を新たに開始した。10月20日に国内第2/3相臨床試験を開始、12月3日には国内において、追加接種による臨床試験を開始した。

2021/12/31 塩野義製薬、COVID-19ワクチンのグローバル第3相臨床試験開始 


製造販売承認申請は、国内で実施した5つの臨床試験の良好な結果に基づくもので、1回目と2回目の接種を想定した臨床試験で、ウイルスの働きを抑える中和抗体の値がアストラゼネカのワクチンよりも高いと確認できたほか、3回目の接種を想定した臨床試験では、中和抗体の値がファイザーのワクチンを接種した場合と同じ程度だった。

また、これまでの臨床試験で、安全性に大きな問題は確認されなかった。

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厚生労働省の専門家分科会は11月22日、塩野義製薬が開発した新型コロナ飲み薬「ゾコーバ」の緊急承認を了承した。安全性を確認したほか、症状改善を早める有効性が推定できると判断した。厚労省は同日、承認した。

2022/7/25 塩野義コロナ飲み薬、「緊急承認」見送り 付記

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