韓国のGS Caltex は11月11日、麗水で創業以来最大の2兆7000億ウォン(約3000億円)を投資したオレフィンの生産施設(MFC施設)の完成式を行った。
GS Caltexは1967年にLG Group と米Chevron のJVの湖南精油として設立された。その後、LG Caltex に改称した。麗水と仁川広域市に工場を持つ。GS Groupは2005年1月にLGグループの分離で誕生した。LG Caltex精油、LG建設、LGホームショッピングなど計14社が移った。LG Caltex はGS Caltexに改称した。
分離に際し、GSの許会長は「LGが取り組んでいる事業領域には少なくとも私の代では進出しないなど、お互いを尊重するほか、事業のシナジー効果に向けLGとGSの間の緊密な協力関係は維持する」と述べていた。
MFCは、「Mixed Feed Cracker」略で、多様な原料投入が可能な施設 である。ナフサを原料として投入する従来の石油化学社のナフサ分解施設(NCC)とは異なり、ナフサはもとより、精油工程で生産されるLPGや石油精製ガスなども原料として投入できる。従来の高度化施設で発生する石油精製ガスを原料として使用できるので、同規模の石油化学施設よりエネルギー使用量を約10%減らすことができる。
水素も付加的に生産できる。これを通じて、年間7万6000トンの炭素排出を削減する予定としている。
今回のMFC施設の完成で、GS Caltexはエチレン75万トン、ポリエチレン50万トン、プロピレン41万トン、混合C4油分24万トン、熱分解ガソリン41万トンなどの年間生産能力を備えることになった。
同社では、石油化学分野を拡張することで、非精油部門の割合を増やし、原油価格などの外部環境の変化にともなう損益変動性を大幅に減らすことができるようになったと している。
同社が石油精製会社から総合石油化学会社に変身する背景には、電気自動車時代の到来に伴う輸送用燃料の減少がある。
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韓国の業界によると、GS Caltex は更に、麗水工場内 でガソリンを精製する第1重質油分解施設(日量9万バレル)の一部をエチレンやプロピレンを精製する石油化学設備に改造する案を検討している。
事前設計作業を始めており、Chevron との協議を経て基本設計、理事会報告、許認可手続きなどを推進する。
工程を改造するためには3000億ウォンから多ければ5000億ウォンの資金が見込まれ、実際に改造作業を始めるまでには数年がかかるものと予想される。
これを通じてGS Caltexは、2030年以降は事業構造を石油精製中心から総合石油化学に転換する 。
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