サウジのムハンマド皇太子、韓国訪問、来日は中止

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サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は11月17日夕方、韓国の財界トップらとの会合を最後に訪韓日程を終えて韓国を出国した。

このあと日本を訪問、岸田総理とエネルギーの安定供給などについて会談する方向で調整が進められていた。JETROではムハンマド皇太子と経済界とのビジネスフォーラムも予定され、サウジ政府要人や経産省や企業関係者の講演のほか、協力覚書の締結式も予定されていた。

しかし、来日は取りやめとなった。事情は明らかにされていない。

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サウジアラビアの実権を握るムハンマド・ビン・サルマン皇太子は11月17日に韓国を訪問、韓国企業とサウジの政府や機関、企業がさまざまな超大型協力プロジェクトを始動させた。

皇太子が韓国に滞在した20時間の間、韓国企業はサウジアラビア政府・企業・機関と26件にわたる契約とMOUを締結した。総事業規模は300億ドルと推算される。

同日午前、大統領官邸で尹大統領と3時間
ほど
拡大会談と単独歓談、公式昼食会を行った。サルマン皇太子はこの席で「サウジの『Vision 2030』実現のために韓国との協力を強化していくことを希望する」とし「エネルギー、防衛産業、インフラ・建設の3つの分野で韓国と協力を画期的に強化したい」と述べた。

その後、大企業のトップ8人との会合などの日程を消化した。1時間30分以上行われた懇談会では、総事業費5000億ドル規模の「Neom City」事業を中心とした各種協力案が議論された。

同日午後5時、ロッテホテルで開かれた皇太子と主要企業家懇談会には、李在鎔サムスン電子会長、崔泰源SKグループ会長、鄭義宣現代車グループ会長、金東官ハンファソリューション副会長、鄭基善現代重工業グループ社長、李在賢CJグループ会長、朴庭原斗山グループ会長、李海旭 DL(旧大林)グループ会長の韓国財界のトップ8人が出席した。

韓国産業通商資源部とサウジ投資省は同日、ソウルで「韓国・サウジアラビア投資フォーラム」を開催した。両国政府や企業の関係者300人あまりが出席し、26件の契約や覚書が締結された。

サウジの国営石油会社Aramco の韓国子会社である石油精製会社「Sオイル」は、韓国で大型石油化学事業「シャヒン・プロジェクト(アラブ語のShaheen)」を実施する計画で、フォーラムでは、Sオイルと韓国の建設会社3社との間で、設計・調達・施工契約が結ばれた。

「シャヒン・プロジェクト」では、アラムコが70億ドルを投じて蔚山のSオイル工場付近にエチレン、ポリエチレンなどを含む年間180万トン規模の石油化学製品の生産設備を設ける予定で、一つの事業としては過去最大規模の対韓投資プロジェクトとなる。来年から着工に入り、2026年には完工する予定。

韓国電力公社、韓国南部発電、韓国石油公社、鉄鋼最大手ポスコ、サムスン物産は、サウジの政府系ファンドとの間で、グリーン水素とアンモニア工場の建設プロジェクトに関する覚書を締結した。

このほか、化学、合成油、製薬、ゲーム、スマートシティーの分野で韓国企業とサウジ投資省などが覚書を結んだ。

サウジアラビアが力を入れる巨大都市開発プロジェクト「NEOM」をめぐっても、韓国企業とサウジの政府・企業が契約やMOUを結んだ。

Neom Cityは、ビン・サルマン皇太子が2017年に石油中心の経済構造から脱皮するために樹立された「サウジビジョン2030」の中心軸に挙げられる超大型新都市開発プロジェクト。事業費5000億ドルを投じて紅海のアカバ湾の東側の2万6500 km2の敷地に未来都市を建設するもので、フォーラムでは、鉄道車両を手掛ける現代ロテムとサウジ投資省との間で鉄道建設に関する覚書が交わされた。

Neom Cityは①環境にやさしい直線都市「The Line」と、②海の上に浮かぶ八角形の先端産業団地「Oxagon」、③環境にやさしい山岳観光団地「Trojena」の3つのプロジェクトで構成される。

特に、Neom Cityの中心であるThe Lineは、道路や車のない炭素排出ゼロ都市を目指す。高度500メートルの直線型垂直都市で、長さが170km、幅が200mで砂漠を横切って造成される。

①自給自足型の直線都市 The Line

幅200m、高さ500mの直線構造物で、170kmの長さでタブーク境界地域から砂漠と峡谷·山岳地帯を通り、紅海アカバ湾まで続く。

ガラス壁で作られて「ミラーシティ」とも呼ばれ、太陽光などの再生可能エネルギーで都市電力を供給、炭素排出のない環境にやさしい都市を標榜している。

主要インフラは、都市の端から端に速く移動できる高速鉄道でつながる。2つのトンネルを貫通し、一方では時速250〜300kmの高速鉄道と地下鉄、もう1つは貨物運搬用列車が運行される。 鉄道のためのトンネル東側区間の一部を韓国のサムスン物産·現代建設とギリシャのアキロドンコンソーシアムが引き受ける。

居住地域から5分の距離に事務室、商店、病院、学校、文化施設、スポーツ競技場などがすべて備えられた未来都市を追求している。

2030年までに居住人口100万人、究極的には900万人まで予想している。

② 海岸産業団地オクサゴン  Oxagon


③山岳観光団地 Trojena


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