EUと西バルカン諸国(Western Balkans)は12月6日、アルバニアの首都ティラナで首脳会議を開催した。EU首脳は会議後、「西バルカン諸国のEU加盟という観点に対する完全かつ明確なコミットメントと加盟手続きの加速要請」を再確認した。
6カ国はアルバニア、モンテネグロ、北マケドニア(以上3カ国はNATO加盟)と、セルビア、コソボ、ボスニア・ヘルツェゴビナ。
宣言ではロシアのウクライナ侵攻について「欧州と世界の平和と安全を危険にさらしている」と非難。EUと西バルカン諸国の「戦略的パートナーシップの重要性」に言及した。
EU側は汚職対策などEU加盟に向けた内政改革の加速も6カ国に促した。
2022年3月現在、アルバニア、北マケドニア、モンテネグロ、セルビア、トルコの5カ国が加盟候補国で、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボの2カ国が潜在的加盟候補国となっている。アルバニアと北マケドニア、モンテネグロ、セルビアは正式な加盟候補国となって数年がたっているが、手続きは滞っている。トルコも1999年に加盟候補国となったものの、人権侵害への懸念があることから、加盟交渉は中断したままである。
欧州連合(EU)は2022年6月23日開いた首脳会議で、ウクライナとモルドバに加盟候補国の地位を付与することを承認した。全27加盟国が同意し、認定に必要な全会一致で決まった。
2022/6/27 EU、ウクライナとモルドバを加盟候補国に認定
付記 EU首脳らは2022年12月15日、ボスニア・ヘルツェゴビナを「加盟候補国」として正式に認めることで合意した。
2018年1月に安倍総理(当時)が南東欧諸国を訪問した際に、EU加盟を目指す西バルカン諸国に対する経済社会改革の支援と西バルカン地域内の協力促進を目的とした、日本が主導する取り組み「西バルカン協力イニシアティブ」が発表された。
EU加盟を目指す当該諸国の経済社会改革を支援。
地域における各国間の協力及びユーゴスラビア紛争後の諸民族間の和解・協力の促進。
NATOとEUの加盟状況は下記の通り。
フィンランドとスウェーデンは2022年5月18日、NATO加盟を正式に申請し、NATOの加盟各国は2022年7月5日、スウェーデンとフィンランドの正式加盟を承認する議定書に署名した。すべての加盟国が国内での批准手続きを終えればNATOは32カ国体制となる。
NATO | EU | ||
原加盟国 | 米国 | 対象外 | |
カナダ | |||
イタリア | 1952 | ||
オランダ | |||
フランス | |||
ベルギー | |||
ルクセンブルク | |||
英国 | 加盟→離脱 | 1973 2020/1/31 |
|
デンマーク | 1973 | ||
ポルトガル | 1986 | ||
アイスランド |
非加盟 |
||
ノルウェー | |||
1952/2 |
ギリシャ |
1981 | |
トルコ | 非加盟 | ||
1955/5 | ドイツ(西ドイツ) | 1952 | |
ソ連崩壊 1991/12/26 | |||
1982/5 | スペイン | 1986 | |
1999/3 | チェコ | 2004/5 | |
ポーランド | |||
ハンガリー | |||
2004/3 | エストニア | 2004/5 | |
ラトビア | |||
リトアニア | |||
スロバキア | |||
スロベニア | |||
ブルガリア | 2007/1 | ||
ルーマニア | |||
2009/4 | アルバニア | 非加盟 | |
クロアチア | 2013/7 | ||
2017/6 | モンテネグロ | 非加盟 | |
2019 | 北マケドニア | ||
非加盟 | アイルランド | 1973 | |
オーストリア | 1995 | ||
2022年加盟へ | フィンランド * | ||
スウエーデン* | |||
非加盟 | キプロス | 2004/5 | |
マルタ | |||
非加盟 | スイス | 非加盟 | |
ボスニア・ヘルツェゴビナ | |||
セルビア | |||
コソボ | |||
ベラルーシ | |||
モルドバ | |||
ウクライナ | |||
30→32 フィンランド、スウェーデン |
28→27 |
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