エンビジョンAESC、サウスカロライナ州にリチウム電池工場建設

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エンビジョンAESCグループは12月7日、米サウスカロライナ州フローレンス郡に電気自動車(EV)に使うリチウムイオン電池の工場を建設すると発表した。

投資額は8億1000万ドルで、生産能力は年間30ギガワット時。EV換算で数十万台規模になる。2026年に稼働し、独BMWなどに供給する。

同社は10月19日に、BMWグループとEV用リチウムイオンバッテリーを複数年にわたり供給する契約を締結したと発表した。

供給される最新のリチウムイオンバッテリーは、米国のBMWスパータンバーグ工場で生産される次世代EVへの搭載が予定されており、従来のバッテリーよりエネルギー密度を20%高くし、充電速度を30%向上し、航続距離が30%拡大している。

この契約に基づき、同社は新工場の建設を計画していると発表していた。

現在稼動中のテネシー州の工場、建設中のケンタッキー州の工場と合わせると、エンビジョンAESCの米国での生産能力は年間で70GWhとなる。


エンビジョンAESCエナジーデバイス(Envision AESC Energy Devices Ltd.)は、中国の再生可能エネルギー関連企業のEnvision Group(遠景能源集団)が80%、日産自動車が20%を出資する。

日産が売却したオートモーティブエナジーサプライ(AESC)を前身とする新会社エンビジョンAESCジャパン、日産がエンビジョングループに譲渡した米英のバッテリー会社や、NECが同グループに売却した電池の電極を製造するNECエナジーデバイスも加わる。

2017/8/15 日産自動車とNEC、バッテリー事業を譲渡


エンビジョンAESCグループは2022年4月14日、米ケンタッキー州Bowling GreenのKentucky TransparkでEV向けリチウムイオン電池の新工場を建設すると明らかにした。
投資額は20億ドルで、生産能力は立ち上げ時で年30ギガワット時を想定、年内にも着工し、2025年の稼働を目指す。 オプションとして +10ギガワット時。

同社では、「現在稼動中のテネシー州の工場、建設中のケンタッキー州の工場と合わせると、エンビジョンAESCの米国での生産能力は年間で70GWhとなる。さらなる競争力向上を行うとともに安定的なサプライチェーンを確立し、同国でのEVの普及促進に貢献して いく」としている。


同社の能力(現状及び計画)は下記の通り。

日本 神奈川

2.6GWh/yr

茨城 6→18GWh/yr
英国 Sunderland 1.9GWh/yr
9→25→35GWh/yr
米国 Smyrna/TN 3.0GWh/yr
Kentucky 30GWh/yr
+ option 10GWh/yr
今回発表 30GWh/yr
中国 無錫 20GWh/yr
フランス Douai 9→24GWh/yr

2022/4/15 エンビジョンAESC、米国に2番目の電池工場建設 


米国は8月、インフレ抑制法を可決し、EV購入時の税控除を盛り込んだが、リチウム・ニッケル・コバルトなど中国産の核心鉱物とバッテリーを使用した電気自動車を対象から除外し、北米で組立・生産した電気自動車に限定するなどの条件を付けている。

エンビジョンAESC製をEVに搭載した場合、税控除の対象にならない可能性がある。BMWは税控除の対象にならないリスクを考慮しても、北米での車載電池の確保を優先した可能性が高いとされる。

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