BHPグループは12月22日、オーストラリアの銅・ニッケル企業 OZ Minerals の全株式を96億豪ドル(約8500億円)で取得することで同社と合意したと発表した。BHPは車載電池に使われるニッケルや電化に不可欠な銅事業の強化を進める。
BHPは8月にOZ Mineralsに対して1株当たり25豪ドルでの全株取得を提案したが 、OZ側が企業価値を正当に評価していないとして拒否した。
BHPは11月に提案額を 最初の提案を行った8月5日時点のOZ株の終値を49%上回る28.25豪ドルに引き上げ、OZも応じる姿勢を示していた。
BHPグループは2021年8月17日、石油・ガス事業から撤退、事業を豪 Woodside Petroleumに売却すると発表した。世界的な「脱炭素化」の流れをにらみ、本業である鉱業に経営資源を集中させる。 化石燃料から脱却し、「未来に目を向けた」商品へのシフトを目指す。
2021/8/19 BHPが石油・ガス事業から脱却
今後は「未来志向」と位置付ける銅やニッケルへの投資を加速させる。特に電気自動車(EV)電池に使われるニッケルは、自社で新規鉱山の探査も行う見通し 。
OZ Mineralsは南オーストラリア州を地盤とし、豪州やブラジルに銅やニッケル鉱山を保有する。BHPが同州に保有するウラン・銅・金部門における主力鉱山 Olympic Dam 近くに鉱山があることから、銅生産の相乗効果などを見込む。
同社では「両社の資産や技術、専門知識を組み合わせれば、個別の企業としては得られない特別な機会が生まれる」と している。
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OZ Mineralsについて:
2009/2/21 中国五鉱集団、豪州OZ Minerals を買収
しかし、豪州財務相は3月27日声明を発表、OZ Minerals の Prominent Hill 鉱山は南豪州のWoomera Prohibited Area (豪軍の武器テスト場)にあり、これが含まれる限り、本案は承認できないとした。
実際には、鉱山は武器テスト場から150km離れており、安全保障上の懸念はないという。
両社は協議の結果、Prominent Hill 鉱山を買収対象から除外し、買収額を12.1億米ドルに修正した。
豪州財務相は4月23日、条件付でこの買収を承認した。
2009/4/25 豪州政府、中国五鉱集団による豪州OZ Minerals 買収を条件付で承認
この結果、五鉱集団(Minmetals)が買収したOZ Minerals の事業は、Minerals and Metals Group Ltd. として事業を行っている。
OZ Mineralsは存続し、Prominent Hill 鉱山の運営を続けた。
その後の動き:
2012 Prominent Hill 拡張(Ankata 地下鉱山)
2015 同上( Malu 地下鉱山)
2022 西オーストラリア州の West Musgrave 銅・ニッケルプロジェクトの最終投資決定
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