ウルグアイがTPP加入申請

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南米のウルグアイ政府は11月30日、TPP=環太平洋パートナーシップ協定への加入を申請する文書を、協定のとりまとめ役を務めるニュージーランド政府に提出したと発表した。

一方、ウルグアイとともに関税同盟 Mercosur を構成する南米のブラジル、アルゼンチン、パラグアイの3か国は、域外との貿易交渉は加盟国が共同で行う規定が存在することから、ウルグアイの加入申請は「単独行動だ」と反発、今後、ウルグアイへの対応を検討するとし、制裁も辞さない構えを見せている。


Mercosur について:

  • 加盟国:アルゼンチン,ブラジル,パラグアイ,ウルグアイ,及びボリビアベネズエラ全6か国

        
        ボリビアは2012年12月加盟議定書に署名し,各国議会の批准待ちで、現在議決権はない。
        ベネズエラについては、2016年12月にアルゼンチン,ブラジル,ウルグアイ,パラグアイが加盟資格停止を通知。

  • 準加盟国:チリ,コロンビア,エクアドル,ガイアナ,ペルー,スリナム(全6か国)

Mercosur の準加盟国であるペルーとチリはTPPに加盟しており、同じく準加盟国のエクアドルは加盟を申請している。


Mercosur加盟国の最大の特徴は、対外共通関税を加盟国全てが採用する一方、域内における品目別原産地規則をクリアすることを条件に、域内の輸入関税が免除されている点にある。


EUとMercosur(
アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ4か国) は2019年6月28日、自由貿易協定(FTA)について基本合意に達した。足掛け約20年の交渉がようやく実を結んだ。

なお、Mercosur加盟4か国は欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国(アイスランド、スイス、ノルウェー、リヒテンシュタイン)との間でもFTA交渉を行っており、ほぼ合意に達しているとされる。

2019/7/4 EUと南米南部共同市場(Mercosur)、FTAで 基本合意 

EUとMercosurのFTA交渉はその後、難航した。

フランスのマクロン大統領やオランダのマルク・ルッテ首相などが、アマゾン熱帯地域の森林保護に消極的だとして、ブラジルを批判した。

Mercosur側でも、保護主義的な政策を推進する左派政権率いるアルゼンチンと、交渉を前に進めたいブラジルが相いれないなど、足並みがそろっていなかった。

ただ、ロシアのウクライナへの軍事侵攻を受け、EUは、Mercosurなどと戦略的な提携を強化するべく、停滞しているFTA交渉を前に進めたい意向を示している。

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TPPをめぐっては、加入を目指す動きが活発化している。

TPP加盟申請
英国 2021/2/1 2020/1/30 EU正式離脱
中国 2021/9/16 2021/9/18 中国、英国に続き、TPPへの加入を正式申請
台湾 2021/9/22
エクアドル 2021/12/17
コスタリカ 2022/8/10
ウルグアイ 2022/11/30 Mercosur メンバーが異議
韓国 2021/12/13 手続き開始

  

 

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