米国のLNG会社 NextDecadeは1月19日、伊藤忠商事に年100万トンのLNGを15年間にわたり販売する長期契約を結んだと発表した。
2020年代後半に稼働を開始する同社のテキサス州BrownsvilleのRio Grande LNG project から供給する。
販売価格は米国のHenry Hubガス価格に連動し、伊藤忠がLNG運搬船を手配する。すでにNextDecadeは下記の通り、石油大手エクソンモービルや中国、ポルトガルの企業と長期契約を結んでおり、日本企業と合意するのは初めてとなる。
Shell NA LNG 200万トン 20年 ENN LNG of Singapore
中国 ENN Natural Gas 子会社200万トン 20年 Galp(Portuguese) 100万トン 20年 ExxonMobil 100万トン 20年 Guandong Energy Group 100万トン 20年 伊藤忠 100万トン 15年
NextDecadeは、世界にクリーンなエネルギーを提供することに取り組んでいる。
100%子会社のRio Grande LNGとNext Carbon Solutionsを通じて、テキサス州Brownsvilleで年間2,700万t (540万トンx 5 系列)のLNG輸出施設、北米最大級のCO2回収・貯留プロジェクトを開発している。
2023年3月までに投資方針を固め、設計や資材調達、建造は米プラント大手ベクテルが引き受ける。
LNG液化プラントの排ガスCO2 を回収・貯留し、CO2排出量を90%以上減らす。年間500万トン以上のCO2を永久貯留する。
LNG計画は次の通り。
Rio Grande LNG 液化プラント 完成イメージ図
立地
Rio Grande LNGは、パーミアン盆地とEagle Ford シェールガスを世界のLNG市場につなぐ米国最大かつ最もグリーンなLNG輸出ソリューションとなる見込み。
Rio Bravo Pipeline は日量 45 億立方フィートを輸送するよう設計されている。
CO2回収:
NextDecade Corporationと米国三菱重工業は2021年4月、Rio Grande LNG液化プラントの排ガスからのCO2回収システムについて基本計画パッケージの提供を行うことで合意した。米国三菱重工業はCO2回収システムの基本設計、CO2回収技術のライセンス供与を行う。経済性の検討を経て将来的に建設される予定で、排ガスからCO2を回収・貯留(CCS:Carbon Capture and Storage)する技術を商業用のLNG液化プラントに適用する今回の取り組みは、世界初となる。
三菱重工エンジニアリングが関西電力と共同開発したCO2回収技術「KM CDR ProcessTM」を採用し、LNGの低炭素化(Low Carbon LNG)を目指す。将来的に、ガス精製過程での回収分も含め年間500万t規模のCO2排出削減を見込んでいる。
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