ジャパンディスプレイ、中国製造子会社の売却完了

| コメント(0)

ジャパンディスプレイ(JDI)は2022年12月30日、中国の製造子会社Suzhou JDI Electronicsの全株譲渡が完了したと発表した。譲渡額は205億円を想定していたが、その後の資産増減などで267億3千万円に確定した。

譲渡に伴い、2023年3月期に、関係会社株式売却益約148億円を特別利益として、事業構造改善費用約35億円を特別損失としてそれぞれ計上する見込み。


同社は2022年10月にSuzhou JDI Electronicsの全株式を、現地Suzhou Dongshan Precision Manufacturing Co., Ltd.(DSBJ)に譲渡することを決めた。

資産内容の適正化やコスト競争力の強化、サプライチェーン(供給網)の多様化などが狙いとしている。


Suzhou JDI の当初の社名は
素尼移動顕示器(蘇州)で 、1996年に設立され、2012年7月にJDIが買収し、子会社とした。

JDIは全株式の売却後も引き続きSuzhou JDIに生産を委託し、固定費の軽減につなげる。譲渡先のDSBJはプリント基板、液晶モジュールの製造や金属精密加工などを手がける複合企業。

ーーー

JDIの当初の海外製造子会社は下記のとおりであった。

Suzhou JDI Electronics 江蘇省蘇州市 素尼移動顕示器(蘇州)を買収 今回売却完了
Nanox Philippines Philippines ナノックス(日本板硝子100%子会社)より、81%取得 存続
Kaohsiung Opto-Electronics 台湾 旧 高雄日立電子 Wistronに売却
Suzhou JDI Devices 江蘇省蘇州市 旧 日立顕示器件(蘇州) 中国企業に売却
Shenzhen JDI 広東省深圳市 旧 深圳日立賽格顕示器 中国企業に売却


Kaohsiung Opto-Electronics

JDIは2021年7月8日、液晶モジュールの設計・製造を手がける台湾子会社のKaohsiung Opto‐Electronics Inc.の全株式を、現地での製造委託先であるWistron Corporationのグループ企業に譲渡することを決めた。

資産圧縮の一環で、譲渡価額は暫定80億円、2021年10月に85億8200万円で確定、2021年12月1日付で譲渡が完了した。

譲渡先のWistronは世界的なEMS(電子機器の受託製造)企業で、同社とJDIはスマートフォン用ディスプレーのモジュール製造を長年委託する関係にある。

Suzhou JDI Devices)

JDIは2018年4月にSuzhou JDI Devices Inc.の全株式を、資本・人的・取引関係のない中国企業へ譲渡した。子会社整理損(株式売却損、従業員への経済補償金等):155億円以上

その後、譲渡関連債権の評価額を全額切り下げ、同額を事業構造改善費用として計上、以降、本債権の回収に向け債務者との協議を継続してきた。

その後、債務者と関係のある中国企業から本債権の一部を約20億円で譲り受ける旨の提案があり、2022年5月に譲渡契約を締結した。

Shenzhen JDI)

2018年4月に中国企業に売却

コメントする

月別 アーカイブ