米下院の議長選挙、ようやく決着

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米下院は多数派の共和党のKevin McCarthy 院内総務を議長に選ぶ投票が1月3日に行われたが、トランプ前大統領を支持する保守強硬派の議員連盟「Freedom Caucus」のメンバーが反対し、過半数を取れないまま、1月4日、5日と、合計11回の投票を行い、決まらないまま、6日に投票を続けた。

2023/1/6  米、ねじれ議会スタート 、共和党の内部分裂で下院議長決まらず   


下院では先ず議長を選び、10月の選挙で選ばれた全議員はその議長のもとで就任宣誓を行う。議長が決まらないため、まだ就任宣誓を行えないままである。

上院は1月23日まで休会中 のため、実際の議事進行には今のところ支障はない。



1月6日に投票が再開された。

これまで共和党の下院議員222人のうち、20人が造反に回っていた。昨日からの説得で、12回目で13人、13回目で14人が造反を取り下げ、McCarthy氏に投票した。造反を続ける議員は6人に減った。

しかし、McCarthy議員は投票参加議員の過半数に3票不足した。

議会はいったん休会に入り、6日午後10時(日本時間7日正午)に再開することが決まった。

再開後の14回目の投票で、Kevin McCarthyはあと1票に迫ったが、駄目だった。このあと、休会に入った。


下院は1月7日未明、15回目の投票で、ようやく新議長に共和党の
Kevin McCarthy 院内総務を選出した。

造反する保守強硬派の6名は"present"(名前を呼ばれて「出席」と答えたまま、投票しない)で棄権し、民主党のHakeem Jeffries が終始、民主党全員が投票して212票、共和党のMcCathyが216票で、有効投票426の過半数214票を2票オーバーし、ようやく当選した。

棄権したのは、Lauren Boebert, Matt Gaetz, Andy Biggs, Eli Crane, Bob Good、Matt Rosendale の6人の共和党議員。

当初、保守強硬派の議員連盟「Freedom Caucus」のメンバーの20名が反対したが、13回目でうち14名がMcCathyの妥協案(下記)を受け入れて、賛成に回った。しかし、この6名は最後まで賛成に回らなかった。

共和党は下院で過半数を得たとはいえ、差は10票であり、「Freedom Caucus」のメンバーの30~40名(とされる)が結果を左右することもあり得る。Kevin McCarthy 新議長は苦しい運営を余儀なくされる。

Candidate 11回目 12回目 13回目 14回目 15回目
民主党 Hakeem Jeffries 212 211 212 212 212
共和党 Kevin McCarthy 200 213 214 216 216
Byron Donalds 12
Kevin Hern 7 3
Jim Jordan 4 6 2
Andy Biggs 2
Trump 前大統領 1
Total votes 432 431 432 432 428
棄権 2 3 2 2 6
必要投票数(過半数) 217 216 217 217 214
Kevin McCarthy 不足票数 17 3 3 1 -


報道によれば、この間、McCathyは反対派の説得のため、多くの妥協をしてきた。 下記はその一部。

議長解任動議の提出条件は会派の半数の賛成であるが、 さきにMcCarthy 議員は議員5人での提出を認める妥協案を示して懐柔を図ったが、最終的に1人で動議を出せることを認めた。

本会議にかける議案を決定する強力な権限を持つ下院規則委員会に、フリーダム・コーカスからより多くの議員が参加することを認めた。

反対派議員が優先事項に挙げるいくつかの法案(委員の任期制限や国境保全の計画に関する提案など)を採決にかけることにも同意した。


なお、
「Freedom Caucus」のメンバーの20名のほとんどが今回の選挙でトランプの推薦を受けている。しかし、トランプがマッカーシーを支持するよう共和党に結束を呼びかけたが、20人の共和党員が造反を続けた。

トランプ前大統領の影響力が弱まったのではとの見方がある。



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