韓国、大統領の鶴の一声で半導体業界への税制支援を拡大

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韓国政府は1月3日、「半導体などの税制支援強化策」を発表した。

政府はこれまで支援強化に消極的な立場だった。与党「国民の力」の半導体特別委員会は20%(大企業の場合)の税額控除を、最大野党「共に民主党」は10%の税額控除を主張したが、政府は韓国の半導体税制支援は主要国と比べても高水準だとの立場を崩さなかった。

その結果、国会は12月23日に、2023年から半導体の設備投資を行った大企業に対する税額控除を現行の6%から8%に引き上げる内容を盛り込んだ改正租税特例制限法を可決した。

しかし、12月30日に尹錫悦大統領が半導体など国家戦略産業に対する税制支援拡大を検討するよう指示すると、鶴の一声で方針転換した。

今回の「強化策」で、半導体施設に投資する大企業に対し、投資税額控除を従来の6%、昨年末の改正での8%から15%に引き上げる。
中小企業は現行の16%から25%に引き上げる。

これとは別に、本年に限り、企業の投資増加分(直前3年間の平均値比)に対して、追加の10%を控除する。

合わせると、半導体・バッテリー・ディスプレーなど国家戦略技術の設備投資を行った大企業は25%、中小企業は35%の税額控除を受けることができることとなる。

副総理兼企画財政部長官は、「半導体は、韓国経済の大切な中枢産業であり、大韓民国の未来競争力および国家安保、生存に直結する戦略資産だ」とし、「国家戦略産業のグローバル競争力の確保と共に、企業の全般的な投資心理を回復するための画期的な税制支援策を用意した」と明らかにした。

また、政府はこれ以外の投資に関し、2011年以降中止されていた臨時投資の税額控除を今年に限って再導入し、一般投資の税額控除率を1~10%から3~12%に、新成長・コア技術への投資は3~12%から6~18%にそれぞれ引き上げることにした。


今回の支援策は、今年1月1日からの投資分にさかのぼって適用できるよう立法を推進する。政府は関連法改正案を今月中にとりまとめ、最大限速やかに可決することを目標とする

国会の議決を必要とするが、国会での可決直後に、一転して、野党主張よりも多い税額控除案を出すことになるため、野党の反対も予想される。

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