米国、再び債務上限問題

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イエレン米財務長官は1月13日の議会指導部宛ての書簡で、米国は1月19日に31兆4000億ドルの法定債務上限に達する可能性が高く、「上限に達すれば財務省が米国のデフォルト(債務不履行)回避に向け特別措置に着手する必要がある」と指摘した。

付記 米連邦債務が1月19日、31兆4000億ドルの上限に到達した。数カ月以内に財政危機を招く恐れがある。

特別措置により実際のデフォルトは本年6月上旬まで回避される見込みだが、議会に対し債務上限引き上げに向け迅速に行動するよう要請した。

イエレン長官は、特別措置の例として2つを挙げた。
第一は、公務員退職・障害基金(CSRDF)と退職郵便局職員健康基金(Postal Fund)に積み立てている資金を取り崩すか、新規の積み立てを中止すること。
第二の対策は、連邦職員退職金口座が保有する政府証券投資基金(G Fund)の再投資を中止することである。

要するに政府が所轄する公務員の年金資金を流用するか、流出を減らすことで、財務省の資金繰りをつけるということである。

昨年の中間選挙で下院多数派を奪い返した共和党は、債務上限問題に協力する条件として、手厚い社会保障策などを実行してきたバイデン政権に歳出削減を求める考えだが、ホワイトハウスの報道官は「債務上限を巡っては、いかなる交渉もしない。政治的な駆け引きではなく無条件でなされるべきだ」と発言しており、協議は難航するとみられる。

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米国では歳出上限と債務上限が法律で決まっている。予算の運営のためには、別の法律により、これらを引き上げる必要がある。

2013年からはその都度、上限を凍結してきた。

2019年3月1日に債務上限凍結の期限が終了し、その後は借り入れができなくなった。3月1日末の債務 22兆289億ドルが新しい上限となる。

しかし、トランプ大統領の非常事態宣言による壁建設費用の流用により、野党民主党の反発は強く、債務上限の引き上げや凍結が決まる可能性は小さかった。

米財務省は会計調整や州・地方政府向け特別国債の発行停止などのいわゆる特別措置を使ってその後の数カ月間、デフォルト(債務不履行)を阻止でき、民間シンクタンクは「夏までは資金繰りが可能」と試算した。 

その後の交渉の結果、トランプ大統領は2019年7月22日、今後2年間の連邦政府の歳出と債務の上限について与野党で合意したとツイッターで発表した。

最終的に、債務上限2021年7月末まで2年間棚上げとなり、とりあえず、資金の枯渇によるデフォルトは回避された。

2019/7/25 米 歳出上限と債務上限を引き上げ

この2年間の棚上げ期間が終了した。

民主党と共和党の争いが激しく、一時的処理として2021年10月に債務上限を4800億ドルだけ引き上げた。

2021/10/12 米上院、債務上限の一時引き上げ可決 

議会は2021年12月に米政府の債務上限を2兆5千億ドル引き上げ、31.4 兆ドルにする法案を可決した。2022年の中間選挙の先まで、恐らく2023年までは債務不履行にはならないと見られた。

2021/12/16 米国、債務上限問題 ようやく解決

  債務上限  
2011/8/2

引き上げ

上限 14兆2940億ドル を超過→上限引き上げ 16兆3940億ドル
2012/12/31   債務上限到達(合わせて大型減税が期限切れとなり、「財政の崖Fiscal Cliff)」)
2013/1/31 先送り 法定上限を暫定的に引き上げ、
2013年5月18日までに限って向こう3か月分の歳出に相当する額の国債の発行を政府に認める。
2013/5/19   先送り期限到来、債務 16兆6990億ドル
    デフォルトを回避するためさまざまな緊急措置を実施し、資金をやりくり
2013/10/16 凍結 国債発行を2014年2月7日まで認める
2014/2/7   期限到来、債務17兆2120億ドル 。やりくり期限は2月27日
2014/2/12 凍結 債務上限の適用を2015年3月15日まで凍結する法案を可決 
2015/3/15   凍結期限終了、債務額18兆1130億ドが新たな上限、以後、特別な措置でやりくり
2015/10/26 凍結 債務上限凍結を2017年3月15日まで再び延長
2017/3/15   凍結期限終了、債務額19兆8460億ドルが新たな上限
2017/9/8 凍結 2017年12月中旬までの債務上限棚上げ
2018/2/9 凍結 債務上限を2019年3月1日まで1年間停止
2019/3/1   債務上限の凍結期限終了 3月1日末の債務 22兆289億ドルが新しい上限
2019/7/22 凍結 2021年7月末まで2年間棚上げ
2021/7/31 債務上限の2年間の凍結期限終了 2019年3月1日時点の債務上限の22兆289億ドル+追加借り入れの約28兆4010億ドルが新しい上限
2021/10 引き上げ 債務上限を4,800億ドル引き上げ (一時的処理)
2021/12 引き上げ 債務上限を2兆5千億ドル引き上げ、新たな上限 31.4 兆ドル 
2023/1 上限に達する見込み



議会は2021年12月に米政府の債務上限を2兆5千億ドル引き上げ、31.4 兆ドルにする法案を可決した。2022年の中間選挙の先まで、恐らく2023年までは債務不履行にはならないと見られた。

財務省が2022年10月3日に公表したデータによると、連邦政府の公的債務残高が31兆ドルを超えたことが明らかになった。

30兆ドルに達したのは2022年2月で、わずか8カ月で1兆ドル増加した。新型コロナ感染拡大前に比べると増加基調が顕著である。




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