スウェーデンの国営鉄鉱石会社 LKAB (Luossavaara-Kiirunavaara Aktiebolag) は1月12日、欧州最大のレアアース(希土類)鉱床を同国北部のKiruna 鉱山で発見したと発表した。
レアアース(希土類)酸化物の埋蔵100万トン超を確認したと発表した。欧州での埋蔵確認では最大になる。
LKABは1890年に設立され、1950年代から政府所有となった。
スウェーデン北部のKirunaと、Gällivare(イェリヴァーレ )近郊のMalmberget (マルムベリエト)で鉄鉱石の採掘を行っている。
今回、Kiruna 鉄鉱山の北側のPer Geijer Depostでレアアースが発見された。
Per Geijer Depostには希土類金属が希土類酸化物の形で含まれている。鉄鉱石の鉱床であるアパタイトという鉱物の中にリンとともに存在している。
LKABは、既存のキルナ鉱山から新しい鉱床に向けて数マイルに及ぶ坑道の整備を開始した。
しかし、LKABのCEOは、新たに発見された鉱物が市場に出回るのは10~15年後かもしれないと述べた。環境リスク評価を実施するため、許認可プロセスには時間がかかるとされる。
同社では、「ヨーロッパでこの種の鉱物の採掘を増やす」ため、当局に許認可を早めるよう求めた。
埋蔵量は欧州最大とされるが、世界的には大規模とは言えず、米地質調査所(US Geological Survey)による世界の推定埋蔵量1億2千万トンの1%にも満たない。
ヨーロッパでは現在、レアアースは採掘されていない。欧州委員会の2021年の統計によると、EU域内で使用されているレアアースの98%は中国から輸入されている。
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