ブラジルのLula大統領とアルゼンチンのFernandez大統領は1月23日、ブエノスアイレスで首脳会談を開き、両国間の貿易などで用いる共通通貨の創設に向けて協議することで一致した。
当面は通貨統合ではなく、デジタル通貨などが検討されている模様で、為替取引での米ドルへの依存を低減する狙いがある。 Lula大統領は、「メルコスルで共通通貨を作ってはどうか」と述べ、Fernandez大統領も「とても面白い」と同調した。
ブラジル側は共通通貨の名称としてSur (South)を検討しているとされる。
ブラジル通貨はReal で、現在 1 US$=5.2614 Real
アルゼンチン通貨はArgentine peso で、現在 1 US$=176.542 Peso
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両大統領は、アルゼンチンのウェブサイトPerfil に1月21日に執筆した記事で、共通通貨の構築を含む経済統合深化を目指す考えを示していた。「我々は取引の障害を克服し、規則の簡素化や近代化を進め、現地通貨の使用を促したい」として「金融と貿易の双方に用いることが可能な南米共通通貨の議論を進めることを決めた」と指摘している。
また、地域の統合強化にはアルゼンチンとブラジルの良好な関係が重要だと強調し、両国とパラグアイ、ウルグアイの4カ国で構成するメルコスル(南米南部共同市場)の強化も訴え、「メルコスルが世界との効果的な統合のためのプラットフォームになることを望んでいる」と言及した。
The fluid and dynamic relationship between Brazil and Argentina is essential for the advancement of regional integration.
Together with our partners, we want Mercosur to constitute a platform for our effective integration with the world, through the joint negotiation of balanced trade agreements that respond to our strategic development objectives.
We intend to break down the barriers to our exchanges, simplify and modernize the rules, and encourage the use of local currencies.
We also decided to advance discussions on a common South American currency that can be used for both financial and trade flows, reducing operating costs and our external vulnerability. We decided to advance discussions on a common South American currency
英紙フィナンシャル・タイムズはこれに先立ち、アルゼンチンとブラジルが今週、共通通貨に関する準備作業の開始を発表すると報じていた。
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ブラジルとアルゼンチンは2019年にも両国の共通通貨の構想が浮上した。当時のブラジルのボルソナロ大統領、アルゼンチンのマクリ大統領が合意した。メルコスルの4カ国でも共通通貨の創設に向けた協議を進めていくことで一致していたが、ブラジル中央銀行が慎重姿勢をみせたことで大きな進展はみられなかった。国際通貨基金(IMF)によると、両国の人口合計は2億6000万人、国内総生産(GDP)は2兆5200億ドル(約330兆円)の経済圏となる。英紙フィナンシャル・タイムズによると、共通通貨がすべての中南米諸国に導入された場合、経済圏は世界のGDPの5%を占める。ユーロ圏は 世界のGDPの14%である。
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Mercosur(Mercado Común del Sur:英語では Common Market of the South)は、1995年1月1日にアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイの南米南部諸国の関税同盟として発足した。域内の関税撤廃等を目的とする。
2012年7月31日にベネズエラ が正式加盟したが、創設4ヵ国の外相は2016年12月2日、ベネズエラに対して加盟国資格を一時停止すると通知した。2012年の正式加盟から4年以内にメルコスール規則を国内で制度化するという約束を履行できていないというのが理由である。(ベネズエラのマドゥロ大統領は、思想の異なる国を排除しようとするクーデター行為だと非難した。)
2012年12月にボリビアが加盟議定書に署名したが、各国議会の批准待ちで、正式にはまだメンバーではない。
準加盟国は、チリ、コロンビア、エクアドル、ガイアナ、ペルー、スリナムの6か国。
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