韓国SK On のトルコの電池JV計画 白紙撤回へ

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韓国メディアによると、SK Innovationの電池子会社 のSK On がトルコでの電池合弁工場の建設計画を白紙撤回する見通しとなった。SK Onは「基本合意後の協議は長期化している。ただ(白紙撤回の)最終決定はしていない」とし、交渉が難航している状況は認めた。

米 Ford Motor とトルコ財閥の Koc Holdingの3社による合弁として2022年3月に基本合意した。その後は資金調達の不調や物価高などで3社の協議が進まなかったという。

世界的な物価高による建設コスト上昇と、先進国の金融引き締めで建設資金の確保が難しくなった。

SK onはFordとの合弁工場3カ所のほか、中国やハンガリーでも工場拡張を進めて おり、急激な生産能力増強に資金力が追い付いていない。

SK Innovationは2021年10月1日、電池事業を分社し、全額出資の「SKオン」(SK on)を設立した。EVの世界的な普及による需要急増に対応するため、電池事業を上場させて増産資金を確保する狙いがある。

当時は2022年中の新規株式公開(IPO)による大規模な資金調達を目指していた が、リスクマネーの先細りからIPOは延期を迫られた。2022年12月には親会社SK Innovationを引受先とする第三者割当増資で2兆ウォン(約2100億円)の投資資金を確保した。


Ford はSKとの交渉が難航するなか、代案としてLG Energy Solutionにバッテリー合弁工場を提案し、関連協議を進めているとされる。 ただ、LG Energy Solution側はまだ関連協議が具体的に決まったことはないと明らかにした。

Fordはトルコ事業でLGと組む場合も、残りのプロジェクトではSK onとの協力を続ける。

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SK Innovationは2022年3月14日、SK onとFord Mortor、トルコ財閥大手Koc Holding の3社合弁でトルコのAnkara近郊に車載電池工場を建設すると発表した。

年間生産能力は30~45ギガワット時(一般のEVで50万~75万台分に相当)を想定しており、早ければ2025年に量産を始める。主に欧州のFord Groupの完成車工場に供給する。

新工場の投資金額は2000億~3000億円規模にのぼるとみられ、3社の負担比率は今後詰めるという。

Ford は トルコ Koc Holding との合弁会社Ford Otosanを持ち、主に商用車を年間45万台ほど生産している。

SKとFord が米国での電池合弁を設立したのに続けて、トルコではKoc Holding を連合に加えて電池供給能力を高める。


(SKーFord の米国計画)

SK on とFordの合弁の米国の電気車用バッテリー生産会社「Blue Oval SK」が公式発足した。2022年7月14日に発表された。

Ford Motorは2021年9月27日、114億ドルを投資し、米国に電動ピックアップトラック F-150 Lightning Electric Truck の組立工場と、3つの電池工場を新設すると発表した。

3つの電池工場についてはFord とSK InnovationのJVのBlue Oval SKが建設、運営する。

バッテリー工場に両社がそれぞれ44億5000万ドルずつを投資し、組立工場にはFord単独で25億ドルを投資する。

テネシー州Stanton にBlue Oval Cityを建設する。電動ピックアップトラック「F-150 Lightning Electric Truck」の組立工場と、新JVのBlueOvalSKのリチウムイオン電池工場及び主要サプライヤーの拠点とリサイクル施設が建設される。投資額は56億ドル。

ケンタッキー州Glendale には58億ドルを投じてBlueOvalSK Battery Parkを建設する。新JVのBlueOvalSKが2つの電池工場をつくる。

電池工場の年間能力はテネシー工場が43GWh、ケンタッキー工場が86GWhで、合計129GWhとなる。フル稼働時にEV約220万台のバッテリーを供給できる。

2022/7/16 SKとFordのバッテリーJV 発足 

SK Innovationとしての米国での年産能力は、同社が単独で建設中の21.5GWh(2022年量産開始)と合わせ150.5GWhとなる。



この時点でのSKの欧州の電池計画はトルコを入れると77.5~92.6SWh となる。

当時の世界の計画は下図の通り。

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