咳止めシロップで子供が多数死亡、工業用EG、DEGが混入

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世界保健機関(WHO)は1月23日、有害物質の入った咳止めシロップの服用により昨年インドネシアなどで子どもの死亡が相次いだことを受け、「即時かつ協調的な行動」をとるよう呼びかけた。

WHOによると、有毒で急性腎障害につながる恐れのあるエチレングリコール(EG)とジエチレングリコール(DEG)とが許容量を超えて検出された。いずれも不凍液などに使われる。

インドネシア、ウズベキスタン、西アフリカのガンビアで昨年、300人以上の子どもらが急性腎不全で死亡、ほとんどが5歳未満だった。

WHOはアフリカ西部ガンビアでの66人の児童の死亡はインドの製薬会社が製造した咳止めシロップの服用と関係している疑いがあるという声明を表した。
インド政権は、シロップを製造した製薬会社Maiden Pharmaceuticalsを検査し、製造に一連の違反が見つかったとして工場閉鎖を命じた。インド保健省によると、Maiden Pharmaceuticalsの4製品はインドでは現在売られておらず、輸出もガンビア向けだけという。

ウズベキスタン保健省はインドの製薬会社が製造したシロップを服用した子ども21人のうち18人が死亡したと発表した。死亡した子どもたちが飲んだ薬は、インドのMarion Biotech が製造したもの。

インドネシアの医薬品食品監督庁は2022年10月31日、国内で流通する子ども用シロップ薬から基準を大幅に超えるエチレングリコールとジエチレングリコールが確認されたと明らかにした。インドネシアでは子どもの間で腎臓の疾患症状の報告が相次いでいて、150人以上が死亡、特に8月以降はその数が急増していた。


WHOは1月23日、咳止めシロップの有毒物質が原因だと発表した。「少量でも致命的で、医薬品に含まれるべきでない」安価なジエチレングリコールとエチレングリコールが大量に含まれていたという。

フィリピン、東ティモール、セネガル、カンボジアでも市販の可能性があり、影響があるとし、これ以上の死者を出さないため加盟194カ国に行動を求めた。

この咳止めに関連する各社は否定しているか、調査中だとしてコメントしていない。 WHOは、政府や規制当局に監督強化を求めたほか、医薬品メーカーにはより徹底的な臨床試験と過程の記録を要請した。


WHOはこれまでに、問題のシロップを製造していたインドとインドネシアの製薬会社6社を特定した。

被害国 製品名 メーカー
ガンビア Promethazine Oral Solution
Kofexmalin Baby Cough Syrup
Makoff Baby Cough Syrup
Magrip N Cold Syrup
.
Maiden Pharmaceuticals
(Haryana, India)
インドネシア Termorex syrup PT Konimex いずれも
インドネシアメーカー
Flurin DMP syrup PT Yarindo Farmatama
Unibebi Cough Syrup
Unibebi Demam Paracetamol Drops
Unibebi Demam Paracetamol Syrup
PT Universal Pharmaceutical Industries
Paracetamol Drops
Paracetamol Syrup (mint)
Vipcol Syrup
PT Afi Farma
ウズベキスタン AMBRONOL syrup
DOK-1 Max syrup
Marion Biotech
(Uttar Pradesh, India).


6社は、調査に対して回答を拒否、または死亡原因とされる有毒物質の使用を否定している。

WHOが特定した6社が不正行為を行ったことを示す証拠を持っていない。WHOは6社の間に何らかの関連があるかどうか調査している。

事情に詳しい人物によると、6社は同じサプライヤーから原材料を仕入れていたという。

WHOは、問題の製品と同じものが販売されていた可能性があるカンボジア、フィリピン、東ティモール、セネガルの4カ国でも行うと発表した。

WHOは各国の政府や製薬業界に対し、規格外医薬品の根絶と規制強化のための対応を急ぐよう求めている。

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インドネシア警察は1月30日、同地の化学品のトレーダーのCV Samudera Chemicalが工業用グレードのEGとDECを、Dow Chemical Thailand が製造した医薬グレードのプロピレングリコールとして販売し、その結果、シロップの生産に使われたと明らかにした。

医薬グレードのプロピレングリコールは、注射剤、内用剤などの溶解補助剤、軟膏基剤として調剤に用いられる。

同社で見つかった9つのドラムサンプルからは、EG/DEGが最大52%、一部は最大99%検出された。つまり、ほぼ100%がEG / DEGコンテンツであった。

警察はSamudera Chemical とディストリビューターのCV Anugrah Perdana Gemilang の責任者を逮捕した。

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2006年9月以降、パナマで多数の死者が出た謎の疾病の原因について、米国疾病予防管理センター(CDC)は同年11月に「CDCがパナマの謎の疾病の解決を支援」と題するニュースを配信した。

パナマ保健省の発表で34名の死者が出た謎の疾病について、パナマ社会保障機関が製造した無糖咳止め・抗アレルギーシロップ剤に混入されたジエチレングリコールが原因であったことを突き止めた。


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