LG Chem、北米産リチウム精鉱購買契約を締結

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LG Chemは2月17日、ノースカロライナ州に本社を置く鉱山会社Piedmont Lithiumとの間で計20万トン規模のリチウム精鉱"SC6" (含有量6%のリチウムを含むリシア輝石) 購買契約を締結した発表した。

Piedmont LithiumはカナダQuebecの鉱山から出るリチウム精鉱を今年3四半期から年間5万トンずつ4年間、LG化学に供給する。 これはリチウム約3万トンを抽出できる量で、高性能電気自動車約50万台相当の規模である。

LG ChemはPiedmont Lithiumと7500万ドル規模の持分投資契約も締結し、Piedmont Lithium社の持分約6%を確保した。 LG Chemはケベック鉱山のリチウム精鉱の他にも、Piedmont Lithiumが米国で生産する水酸化リチウム物量年1万トンに対する優先交渉権を得るなど、原材料供給の安定性を一層高めることになった。

Piedmont Lithiumは2021年にSayona Quebecに25%出資した。

Sayona Quebec は2021年8月に、北米で唯一商業生産が可能なリチウム鉱山であるTansim Lithium Project を運営していたNorth American Lithiumを買収した。2019年以降操業を停止している同鉱山及び建設中の鉱石処理施設、Sayona Miningが近郊に保有するAuthier リチウム鉱山を統合することで、同州におけるバッテリー向けリチウム製造ハブの構築を目指している。

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Piedmont Lithiumは、米ノースカロライナ州とテネシー州でリチウム鉱山開発およびリチウム生産プロジェクトを進めており、カナダのケベック州、ガーナのケープコースト州で開発中のリチウム鉱山開発会社にも持分を持っている。

Quebec とGhana 持分出資で、それぞれ引取権を持つ。

ガーナでは、英Atlantic Lithiumが南部のCape CoastのEwoyaa鉱山で開発に着手しており、Piedmont Lithiumは出資契約を締結している。

Tennessee Lithiumは世界クラスの水酸化リチウム工場で、年産30千トンを予定している。現在の米国での生産量を倍増する。

Carolina計画では水酸化リチウムを年間30千トン生産する計画。


リチウム精鉱はリチウム鉱石を加工して濃縮した高純度鉱物で、バッテリーの原料である水酸化リチウムを抽出できる。

LG Chemはこれを北米の主要顧客に供給する陽極材の生産に使用する。

韓国電池素材メーカーの中で北米産リチウムを確保したのはLG化学が初めてで、北米産リチウム精鉱を使えば、米政府のインフレ削減法(IRA)による税制優遇基準を満たす。

新法では、低・中所得者がエコカーなどの新車を購入する際に、下記の条件を満たした場合、1台当たり最大7500ドルの税控除を受けられる。

主な要件(控除額は個人の場合)
税額控除額
価格が5.5万ドル(バンやSUV、ピックアップトラックは8万ドル)未満であること 必須 -
車両の最終組み立てが北米(米国、カナダ、メキシコ)で行われていること 必須 -
電池材料の重要鉱物のうち、調達価格の40%が自由貿易協定を結ぶ国で採掘あるいは精製されるか、北米でリサイクルされていること どちらか
必須
3,750ドル
電池用部品の50%が北米で製造されていること 3,750ドル



しかし、新車購入者のほかに、インフレ抑制法の条項45Xでは、上記条件を満たした車載電池メーカーに対し「先進製造業生産控除」と呼ばれる補助金が1キロワット時当たり35ドル割り当てられる。

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