サムスン電子半導体ショックは韓国経済の危機

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韓国中央日報は2月1日付けで上記のタイトルで サムスン電子の昨年10-12月期の業績を報じている。

営業利益が4兆3061億ウォンにとどまり前年同期より69%減った。何より半導体(DS)部門の営業利益が97%減り、2700億ウォンにとどまった。かろうじて赤字を免れた。半導体はサムスン電子の営業利益の60~70%を占める主力事業だ。このため同社の年間売り上げが302兆ウォンで過去最大を達成したというニュースも色あせた。」

注 1 ウオンは 0.11円

しかもこうした不振が今年上半期も続くだろうと予想されており、市場アナリストはサムスン電子半導体部門が今年1-3月期に兆単位の営業赤字を出すだろうという暗い見通しを出している。

半導体は昨年韓国の輸出の約19%を占めた輸出1位品目で、韓国経済で半導体の割合はそれだけ絶対的であり、歴史的にも半導体が深刻な不況に陥った時に例外なく韓国経済が危機にさらされた。

同紙は、「景気サイクルが回れば状況が好転するだろうという漠然とした楽観論は引っ込めなければならない。すでに世界的半導体大戦の真っ最中で、米国をはじめとする各国が天文学的な資金をばらまいて自国の半導体産業を支援している。政府と政界は設備投資と研究開発投資支援だけでなく、人材育成策などを細かく整えることを望む。業界の奮発も重要だ。どんな状況でも韓国の誇りである半導体産業が競争力を失うことがあってはならない」と述べている。

付記

韓国の1月の貿易赤字、過去最大127億ドル(半導体輸出 前年比44.5%減、中国向け輸出 31.4%減)    
半導体の輸出は、昨年8月(7.8%減)以降、6ヵ月連続で前年比減少




単位;兆 韓国ウオン

2021

2022

2021/Q1

Q2

Q3

Q4

2022/Q1

Q2

Q3

Q4

DX

Visual Display/Digital Appliances

1.12

1.06

0.76

0.7

0.8

0.36

0.25

-0.06

Mobile eXperience/Networks

4.39

3.23

3.36

2.66

3.82

2.62

3.24

1.7

DX orhers

0

0.05

0.03

0.02

-0.14

0.04

0.04

0

DS

Device Solutions

3.36

6.93

10.07

8.83

8.45

9.98

5.12

0.27

SDC

Samsung Display

0.36

1.28

1.49

1.32

1.09

1.06

1.98

1.82

Harman

Harman

0.11

0.11

0.15

0.22

0.1

0.1

0.31

0.37

Others

0.04

-0.09

-0.04

0.12

-0.06

-0.09

0.21

Total

9.38

12.57

15.82

13.87

14.12

14.1

10.85

4.31

韓国Samsung Electronicsは2021年12月にテレビなどのビジュアルディスプレイ事業とGalaxyシリーズなどを担うモバイル部門とを統合すると発表した。新部門の正式名称を「DX」部門とする。

DXは「Device eXperience」に由来し、「顧客にとって新しく有意義な体験を生み出す」という取り組みを反映しているという。

ビジュアルディスプレイ事業、デジタルアプライアンス事業、健康・医療機器事業、MX事業、ネットワーク事業で構成され、「サービスやユーザーのニーズだけでなく、スマートフォンから家電までの幅広いソルーションを提供することにフォーカスする」としている。

「デバイス・ソリューション(DS)」は半導体やディスプレー事業で構成される。

Samsung Electronicsと米Harman Internationalは2016年11月14日、SamsungによるHarman買収を発表した。買収総額は約80億ドルで、この買収により、Samsungは自動車関連事業の強化を図る。
この買収には、Harmanの自動車向け技術のほか、Harman Kardon、JBL、Mark Levinson、AKGなどのオーディオ事業も含まれている。

Harmanが持つ自動車向けのデザイン/設計技術や自動車メーカーとの長期的な関係と、Samsungのモバイル、半導体、ユーザーインターフェイス、ディスプレイ技術や流通網を融合し、自動車向けエレクトロニクス製品の強化を図る。買収完了は2017年の中頃を見込む。

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