バイデン米政権は3月13日、アラスカ州北部の連邦政府所有地(National Petroleum Reserve-Alaska)でConocoPhillipsが計画する石油開発を許可した。ロシアのウクライナ侵攻も背景に燃料の安定供給を確保する狙い。
アラスカ州の地元当局と多くの先住民団体は税収に期待して開発に賛成する一方、温暖化防止と野生動物保護を求める環境団体は反対し、バイデン大統領の判断に注目が集まっていた。
許可されたのは同社がNational Petroleum Reserve-Alaskaで進めるWillow project。最大で日量18万バレルを生産する計画で、事業規模は70億〜80億ドルと伝えられている。
The Bureau of Land Management の発表によると、承認されたのは3つの掘削箇所(BT1, BT2 and BT3)、合計199の井戸、付属のインフラ。
Conocoは5カ所での掘削に加え、周辺地域の道路や複数の橋梁、パイプラインの整備を計画していたが、政府は環境破壊の懸念に配慮して掘削は3カ所だけを承認し、インフラ整備計画も縮小した。
このプロジェクトはトランプ前政権が2020年末に承認していたが、米連邦地方裁判所は2021年8月に、環境アセスメントが不十分と判断、ライセンス許可を取消す判決を下した。
バイデン大統領は、連邦の土地での新たな石油・ガス掘削を認めないことを約束して就任した。
しかし、バイデン政権は2021年5月、この油田開発プロジェクトを支持する方針を示した。
今回の承認と同時に、バイデン政権はNational Petroleum Reserve-Alaska における将来の産業発展を制限するための重要な措置を発表した。
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