米エネルギー大手Sempraは3月20日、同社とKKRが70%出資するSempra Infrastructure Partners, LP がテキサス州Jefferson CountyのPort Arthur LNG Phase 1 の投資を決定したと発表した。2027年の稼働を目指す。
Port Arthur LNG Phase 1 プロジェクトは認可済で、2 系列 年間約1,300 万トンの天然ガス液化トレイン、2 つのLNG 貯蔵タンクを持つ。設備投資総額は130億ドル。
ConocoPhillips(500万トン)、RWE Supply and Trading(225万トン)、INEOS(140万トン)、ポーランドのPKN ORLEN S.A.(100万トン)、ENGIE S.A. などと 約1050万トンの長期契約を結んでいる。
ConocoPhillipsは30%を出資する。同社は年間500万トン、20年間の購入契約を締結している。
KKRが運営するインフラファンドGlobal Infrastructure Investors IV fund が25%~49%を出資する。
Sempra Infrastructure Partnersは、KKRの出資比率次第で、20%~30%を出資する。
Sempra Infrastructure は、Port Arthur LNG Phase 2(申請中、2028年稼働予定)のマーケティングと開発を積極的に行っている。ConocoPhillipsはこれについても出資と引取の権利を得ている。
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本事業には当初、Saudi Aramco が参加する予定であった。
Saudi Aramco と米国のSempra Energyは2020年1月6日、Aramco Services Company が Sempra LNG がテキサス州で開発中のPort Arthur LNG export projectに参加する Interim Project Participation Agreement に調印したと発表した。
AramcoがPort Arthur LNG の第1期分 年間1100万トン(その後、1350万トン)のうち500万トンのLNGを20年間引き取るとともに、第1期計画に25%出資する。今後、最終確定し、正式契約を結ぶ。
2020/1/14 Saudi Aramco、米国でPort Arthur LNG計画に参加
しかし、2021年6月に双方が本件を取りやめることで合意した。 この後、KKRが参画した。
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Sempra LNGは北米の5か所でLNGプラントを建設し、グローバルなLNG市場に年間45百万トンのLNGを輸出する目標を立てており、Port Arthur LNGはその一つである。
現在具体化しているのは、次の3つ。
1) CAMERON LNG (Hackberry, Louisiana)
第1期 3基計 1200万トンは昨年出荷を開始した。
同社は次の液化設備(2基)とLNGタンクの承認手続きを開始した。
2019/6/4 キャメロンLNG、出荷開始
2) 本件 Port Arthur LNG (Port Arthur, Texas)
3)ENERGIA COSTA AZUL LNG (Ensenada, Baja California, Mexico)
Sempra LNG とメキシコ子会社 IEnova が既存の輸入LNGのガス化ターミナル(Energía Costa Azul )に液化設備の建設を計画している。
1期は1系列で年間能力 240万トン。LNGタンクやバースは既存のものを利用する。2期では液化設備2系列とタンクを新設する。
Sempraは2019年3月31日、同地での液化のため、天然ガスをメキシコに輸出する連邦政府の認可を取得したと発表した。
TransCanada所有のNorth Baja Pipelineがアリゾナ州ーカリフォルニア州を結んでおり、メキシコ国境でSempra Energyのメキシコのパイプラインに接続する。2020年11月17日、最終投資決定を行ったと発表した。
Sempraは中国へのLNG輸出を考えている。
2022年12月22日、米国エネルギー省から、米国産のLNG をメキシコから非自由貿易協定 (FTA) 諸国に再輸出する許可を受けた。
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