Saudi Aramco の韓国の子会社で石油精製、石油化学事業を行うS-Oil は 3月9日、蔚山市の蔚山工場で大型石油化学事業「Shaheen Project」の着工式を行った。
尹大統領をはじめ、産業通商資源相、蔚山市長、S-OilのCEO、親会社AramcoのCEOなど300人余りが参加した。
Shaheen Project (アラビア語で鷹計画)は、70億ドルを投じて蔚山温山国家産業団地内にスチームクラッカーをはじめとする大規模石油化学生産設備を建設する もので、最大規模の外国人投資であるだけでなく、韓国石油化学分野でも最大規模の投資プロジェクトである。
S-Oil はSaudi Aramcoと双竜グループとの共同経営であったが、Aramcoが双竜の持株を買収 した。現在は韓国取引所に上場され、Aramcoが63.46%を出資し、最大株主である。(第二位株主は韓国年金基金の6.91%)
S-Oilの精油所は蔚山広域市に立地し、日量669,000バレルの精製能力を誇る。
化学製品の現状能力は次の通り。 単位:千ton/year
BTX Facility Benzene 150 Toluene 350 Xylene 450 Xylene Center Para-Xylene 800 Benzene 150 No.2 Aromatics Para-Xylene 1,050 Benzene 300 RFCC Propylene 200 RUC/ODC Complex Ethylene 187 Propylene 710 Propylene Oxide 300 Polypropylene 405 MTBE 370 Benzene 72
サウジアラビアのサルマン皇太子は2022年11月17日に韓国を訪問、韓国企業とサウジの政府や機関、企業がさまざまな超大型協力プロジェクトを始動させた。
韓国産業通商資源部とサウジ投資省は同日、ソウルで「韓国・サウジアラビア投資フォーラム」を開催した。両国政府や企業の関係者300人あまりが出席し、26件の契約や覚書が締結された。
サウジの国営石油会社Aramco の韓国子会社「SーOil」は、韓国で大型石油化学事業「Shaheen Project」を実施することを決めており、フォーラムでは、S-Oilと韓国の建設会社3社との間で、設計・調達・施工契約が結ばれた。
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S-Oilは2022年11月17日にShaheen Project計画を発表した。
9兆2580億ウォン(70億ドル)を投資して「原油→TC2C(Thermal Crude to Chemical)→スチームクラッカー→石油化学製品」につながる精油 ・石油化学統合設備を建設する。
TC2C (Thermal Crude to Chemical) はLummusの技術で ある。
Lummus Technologyは2022年12月21日、TC2CTM crude-to-chemicals technology の第1号がShaheen Projectに採用されたと発表した。
概要は下図の通り。原油を効率よく分離する熱処理技術や副生物の有効活用などを組み合わせ、原油の約7割を石化製品の主原料に転換できる。常圧蒸留装置なども不要である。
従来に比べ原油からの石油化学製品の生産量が増加するほか、生産コストを低減する効果があるとされる。
最終 製品の生産能力は 次の通り。
エチレン 58万トン、プロピレン 77万トン、ブタジエン 20万トン、ベンゼン 28万トン
LLDPE 88万トン、HDPE 44万トン
2026年6月にメカニカルコンプリーション、2026年末から本格的な稼動を開始する予定。
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