OPECプラスは4月2日、5月から日量115万バレルの減産を実施すると発表した。市場の安定を維持するために供給を据え置くとこれまで約束していたため、協調減産は意表を突く格好となった。
ロシアが3月から単独で実施している減産を加えると、昨年末比で日量 165万バレルの減産となる。ロシアは6月までの減産としていたが、これを更に延長する。
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石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は2022年10月5日にウィーンで久しぶりに対面形式により閣僚級会合を開き、11月の日量200万バレル減産で合意した。
これまでの経緯 2022/10/6 OPECプラス、11月は日量200万バレル減産
OPECプラスは12月4日、前回会合で決定した日量200万バレルの減産を維持することで合意した。
サウジアラビアのエネルギー相は2023年3月14日、OPECプラスが昨年10月に合意した減産方針を2023年末まで継続すると述べた。
OPECプラスとは別に、ロシアのノバク副首相は2023年2月10日、西側諸国がロシア産石油・石油製品に上限価格を設定したことを受け、3月に石油生産を約5%、日量50万バレル削減すると述べた。
「今日現在、生産した石油全量を全て販売しているが、すでに述べている通り、『価格上限』規則を順守する者には直接または間接的に販売しない。ロシアは3月に日量50万バレルの自主的な減産を行う。これは市場の関係回復に寄与するだろう」と述べた。当面、6月までの減産としていた。
今回、サウジアラビアは5月から日量50万バレルの供給削減を表明、クウェートやアラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリアなども同様に減産を発表した。
ロシアは減産を当初6月までとしていたが、その後も延長する。
千バレル サウジアラビア 500 イラク 211 UAE 144 クウェート 128 カザフスタン 78 アルジェリア 48 オマーン 40 小計 1,149 ロシア 500 合計 1,649
従来までの200万バレル減産に加え、合計で365万バレルの減産となる。
最近は価格の変動が見られるものの、市場では今年後半には供給が逼迫すると見込まれていたため、著しい供給減となる。
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