中国国家統計局が5月11日発表した2023年4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比 +0.1% であった。 豚肉 (価格変動が極端)など食品価格の伸びが和らいだほか、原油安を反映してガソリンなど交通燃料の値下がり幅が拡大した。
中国はエネルギーや食糧の自給率が比較的高いうえ、政府が近年これらの備蓄を強化しており、値上げ圧力を吸収しやすい面があるが、「自動車や家電など工業品の消費が弱く、輸出の伸びにも限界があり、在庫が増えた結果、価格競争が起きている」(丸紅中国)。「デフレの兆候が強くなってきた」との指摘も出てきた。
英国は3月にまだ10%を超えており、長期間デフレで悩んできた日本でも3%を超えている。欧米や日本と比較すると異常な低さである。
10月 11月 12月 23/1月 2月 3月 4月 ユーロ圏 +10.6% +10.1% +9.2% +8.6% +8.5% +6.9% +7.0% 英国 +11.1% +10.7% +10.5% +10.1% +10.4% +10.1% 中国 +2.1% +1.6% +1.8% +2.1% +1.0% +0.7% +0.1% 米国 +7.7% +7.1% +6.5% +6.4% +6.0% +5.0% +4.9% 同PCE +6.1% +5.7% +5.3% +5.4% +5.1% +4.2% 同UIG
price-only+5.35% +4.96% +4.53% +4.19% +3.90% +3.60% 3.37% 日本 +3.7% +3.8% +4.0% +4.3% +3.3% +3.2%
2021年1月以降で3%を超えた月はなく、コアCPI(食品とエネルギーを除いた核心CPI)でみると、2020年以降でも最高は2020/1の1.5%である。2023/3は0.7%である。
CPI 食品 うち豚肉 非食品 Core CPI PPI 21/1 -0.3 1.6 -3.9 -0.8 -0.3 0.3 2 -0.2 -0.2 -14.9 -0.2 -0.3 1.7 3 0.4 -0.7 -18.4 0.7 0.3 4.4 4 0.9 -0.7 -21.4 1.3 0.7 6.8 5 1.3 0.3 -23.8 1.6 0.9 9.0 6 1.1 -1.7 -36.5 1.7 0.9 8.8 7 1.0 -3.7 -43.5 2.1 1.3 9.0 8 0.8 -4.1 -44.9 1.9 1.2 9.5 9 0.7 -5.2 -46.9 2.0 1.2 10.7 10 1.5 -2.4 -44.0 2.4 1.3 13.5 11 2.3 1.6 -32.7 2.5 1.2 12.9 12 1.5 -1.2 -36.7 2.1 1.2 10.3 22/1 0.9 -3.8 -41.6 2.0 1.2 9.1 2 0.9 -3.9 -42.5 2.1 1.1 8.8 3 1.5 -1.5 -41.4 2.2 1.1 8.3 4 2.1 1.9 -33.3 2.2 0.9 8.0 5 2.1 2.3 -21.1 2.1 0.9 6.4 6 2.5 2.9 -6.0 2.5 1.0 6.1 7 2.7 6.3 20.2 1.9 0.8 4.2 8 2.5 6.1 22.4 1.7 0.8 2.3 9 2.8 8.8 36.0 1.5 0.6 0.9 10 2.1 7.0 51.8 1.1 0.6 -1.3 11 1.6 3.7 34.4 1.1 0.6 -1.3 12 1.8 4.8 22.2 1.1 0.7 -0.7 23/1 2.1 6.2 11.8 1.2 1.0 -0.8 2 1.0 2.6 3.9 0.6 0.6 -1.4 3 0.7 2.4 9.6 0.3 0.7 -2.5 4 0.1 0.4 4.0 0.1 0.7 -3.6
生産者物価指数(PPI) は変動幅が大きいが、消費者物価指数はほとんど影響を受けていない。
2022年通年のCPI伸び率は、政府目標は 3%前後 であったが、実績は2.0%だった。
「新型コロナウイルス禍前のトレンドに比べて需要に大きなギャップが残っており、緩和するまで3-5年を要する可能性がある」との見方がある。
新型コロナウイルスの厳格な感染防止措置の解除後も、景気回復はまだら模様であることが鮮明になり、当局による追加刺激策の必要性を裏付ける内容となった。
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