「OPECプラス」は6月4日、協調減産の枠組みを2024年末まで延長すると決めた。サウジアラビアは独自に日量100万バレルを7月に追加減産すると表明した。下落基調にある原油価格を下支えする姿勢を示した。
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OPECプラスは2022年12月4日、前回会合で決定した日量200万バレルの減産を維持することで合意した。
サウジアラビアのエネルギー相は2023年3月14日、OPECプラスが昨年10月に合意した減産方針を2023年末まで継続すると述べた。
OPECプラスは4月2日、5月から日量116万バレルの減産を実施すると発表した。市場の安定を維持するために供給を据え置くとこれまで約束していたため、協調減産は意表を突く格好となった。
サウジアラビアは5月から日量50万バレルの供給削減を表明、クウェートやアラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリアなども同様に減産を発表した。
ロシアが3月から単独で実施している減産を加えると、昨年末比で日量 166万バレルの減産となる。ロシアは6月までの減産としていたが、これを更に延長する。(当初報告にガボンを追加)
従来までの200万バレル減産に加え、合計で365万バレルの減産となる。
2023/4/3 サウジ、日量50万バレルの減産を表明、クウェートやUAEも追随、OPECプラスとして昨年末比 165万バレル(計365万バレル)の減産
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「OPECプラス」は6月4日、OPECの本部があるオーストリアのウィーンで今後の原油の生産量を決める会合を開 いた。当初は現在の枠組みを2023年末まで維持する方針だったが、7時間におよぶ今回の協議の結果、これを2024年末まで延長することで合意した。
サウジアラビアは自主的に7月に日量100万バレルを追加で削減すると表明した。5月からの50万バレル減産に追加するもので、これにより4月の生産の日量1050万バレルが約900万バレルとなり、2021年6月以来の低水準となる。
わずか1カ月で追加措置を打ち出したのは、弱含む原油相場への警戒感からで、国際指標の北海ブレント原油先物は1バレル76ドル台と、世界景気減速への懸念から4月の高値より1割以上安い。
サウジは100万バレルの減産について7月以降も続ける可能性があるとした。
ロシアも「ロシアは今後も合意事項を順守していく」と述べたうえで、1日あたり50万バレルの自主的な減産を来年末まで延長する考えを示した。
追加減産は次の通り。(千バレル)
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OPECプラスは声明で、協調減産に加わる国々の2024年の生産量を1月からさらに日量140万バレル引き下げ、合計で日量4,046万バレルに設定したと発表した。 大部分はロシア、ナイジェリア、アンゴラの目標を現在の生産水準に合わせて引き下げたものであり、実際の削減にはならない見通し。ロシアやナイジェリア、アンゴラの割り当てを減らす一方、 生産能力を増強してきたUAEは約20万バレル引き上げた。
次回の閣僚級会合は11月26日にウィーンで開く。
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