中国自動車メーカー15社とTesla、中国で過当競争回避で合意

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中国国有自動車大手や比亜迪(BYD)、米 Teslaなど16社は7月6日、中国市場で過当競争を避けることで合意した。

中国経済の減速で電気自動車(EV)を含む新車販売の価格競争が激化していることから、中国政府の指導下で各社が歩み寄った。

中国の自動車業界団体が同日に上海市で開いた国際会議で、16社が「自動車業界の公平な市場秩序の維持の承諾書」にサインした。自動車政策を担う工業情報化省の幹部が16社の合意の証人となった。

承諾書は4項目で構成する。

 異常な価格で市場の公平な競争秩序を乱さない

 ②誇大な宣伝で消費者に誤解を与えない

 ③高品質の製品とサービスを提供する

 ④社会的責任を積極的に果たす

中国汽車工業協会は7月8日、16社がこの承諾書から項目①を「独占禁止法の精神に反する」ため削除すると発表した。消費者軽視だと世論が反発したことを受けての措置。項目を削除したうえで独禁法を遵守するよう16社に促す。


16社は以下の中国15社と米国のTeslaで、中国市場の新車販売の大半を占める。

第一汽車集団(China FAW) 東風汽車(Dongfeng Motor) 上海汽車集団(SAIC Motor) 長安汽車(Changan Automobile)
北京汽車集団(BAIC) 広州汽車(GAC Motor) 中国重型汽車集団(SINOTRUK) 奇瑞汽車( Chery)
JAC Motors  吉利汽車(Geely Automobile)  長城汽車(Great Wall Motor) 比亜迪(BYD)
上海蔚来汽車(Nio) 理想汽車(Li Auto) 小鵬汽車(Xpeng) Tesla

中国メディアによると、工業情報化省の自動車業界担当幹部は「中国の自動車産業の発展は課題に直面しており、無謀な値下げを避けるなど販売促進活動を規制することが必要だ。自動車各社は良好な市場環境の維持に貢献すべきだ」と指摘した。各社は政府の指導に従い過当な競争を抑えることをめざす。

中国市場で急成長するEVなど新エネルギー車も価格競争が激化している。業界関係者によると、一部の自動車大手は部品メーカーに調達価格の引き下げを通知し、部品メーカーから反発や政府に対応を求める声が出ていた。

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