韓国半導体大手サムスン電子の国内4カ所目となる半導体製造の拠点「竜仁半導体クラスター」(京畿道竜仁市)が、2026年にも着工する見通しとなった。当初予定より約3年前倒しする。
サムスン電子と韓国国土交通省、京畿道、竜仁市、韓国都市住宅公社の5者は6月27日、竜仁半導体クラスターを成功裏に推進するための業務提携を締結した。
ファウンドリーを中心とする半導体製造工場5棟が建設される予定で、総事業費は約300兆ウォン(約33兆円)を見込む。工場5棟が入居する半導体クラスターの稼働には、電力や用水などの大規模なインフラ設備が必要になる。
本年3月には2029年ごろに最初の工場の建設に着手するとしていたが、今回の提携では通常1年ほどかかる予備妥当性審査などの事前作業を短縮し、2026年末の着工を目指すことで合意した。
サムスン電子や政府は事業を効率的に進めることで、早ければ2030年に一部の工場を稼働させたい考えだ。
完成すれば、世界最大級のファウンドリー(半導体の受託生産)拠点となる。官民一体で台湾の台湾積体電路製造(TSMC)との差を縮めたい考え。
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韓国政府は2021年5月13日、ソウル南方にあるサムスン電子の平沢事業所で「K(韓国型)半導体戦略」の報告会を開き、「総合半導体強国」の実現に向けた戦略を発表した。
半導体メモリだけではなくシステム半導体(非メモリであるシステムLSI 製造やファウンドリサービス)でも世界一を目指す。
2021/5/20 韓国、官民協力で「K半導体ベルト」構築
韓国産業通商資源部と国土交通部は2023年3月15日、尹錫悦大統領主宰で開かれた非常経済民生会議で、国家先端産業育成戦略、国家先端産業ベルト造成計画などを発表した。2042年までにファウンドリー(半導体受託生産工場)と先端メモリー半導体工場計5カ所を建設し、ファブレス(半導体設計)、素材、部品、設備企業も最大150社を誘致する。
サムスン電子は龍仁市に2042年までの20年間、300兆ウォンを投資し、次世代半導体製造工場5カ所など生産施設を建設する。
同社は「新しいクラスターが構築されれば竜仁市器興区や華城市、平沢市、(SKハイニックスの)利川市など半導体生産団地と、近隣の材料・部品・装備企業、ファブレスなどを連係した世界最大の『半導体メガクラスター』が完成する」とし、「300兆ウォンが投資されれば直接・間接的な生産誘発効果は700兆ウォン(約70兆5千億円)、雇用誘発効果は160万人に達するだろう」と予想した。
K半導体ベルト
2023/3/20 韓国の国家先端産業育成戦略、サムスンが30兆円の大投資
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