FDA、がん治療薬の不足緩和のため、未承認の中国製の一時的輸入を許可

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FDAは、アメリカ国内のがん治療薬の深刻な不足を緩和するため、未承認の中国製の抗がん剤を一時的に輸入することを許可した。

FDAのカリフ長官は6月2日に 「外国製の抗がん剤『シスプラチン』の一時的な輸入許可の措置を講じる」とツイッターで発表した。未承認薬の緊急仕入れ先は中国企業の斉魯製薬(Qilu Pharmaceutical)である。


シスプラチン(Cisplatin ; 化学名 (SP-4-2)-Diamminedichloroplatinum ; 分子式 Cl2H6N2Pt)はDNAなどの生体成分と結合して抗がん効果を発揮する抗がん剤で 、白金原子を持っていることから、抗がん剤の中では「白金製剤」に分類されている。

1845年に合成されたが、電場の細菌に対する影響を調べている時に、プラチナ電極の分解産物が大腸菌の増殖を抑制したことから、がん細胞に対する研究が行われ、製剤化され 、1978年に世界で承認された。日本では1983年に承認され、今では多くのがんに対して使われている。

副作用としては、吐き気、腎臓への障害、骨髄の機能の障害、神経への障害などがあるが、現在ではそれらの対策もしっかり行いながら治療ができるようにな っている。

以下の治療に単剤または他剤との併用で承認されている。

膀胱がん。手術あるいは放射線療法などの他の治療法でで治療できない進行がんを有する患者に単剤で使用され る。

・転移した卵巣がん。手術または放射線療法による治療歴がある患者には、他剤との併用で用いられ る。標準化学療法で改善がみられず以前にシスプラチンの投与を受けたことがない患者に単剤で使用される。

・転移した精巣がん。手術または放射線療法を受けたことがある患者に他の薬剤との併用で使用され る。

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インドの工場でのトラブルが米国の抗がん剤不足につながった。グジャラート州Ahmedabad近くにあるIntas Pharmaceuticalsは、Gujarat 州のMatoda村の工場を含む複数の工場を運営している。

この工場は、一般的に使用される抗がん治療薬シスプラチンのアメリカの供給の約50%を占めていたが、その事実はほとんど知られていなかった。

FDAの検査官は品質保証の「連鎖的な失敗」を含む広範な問題を発見した。Intas Pharmaceuticalsは問題を解決するために生産を一時中止したが、これによりシスプラチンの不足が発生し、これにより数十万人の患者に影響が及ぶ可能性がある。同社は現在、FDAと協力してアメリカ向けの製造を再開する予定だが、具体的な日程はまだ決まっていない。

過去1年間、子供用のアセトアミノフェンから抗生物質、注意欠陥多動性障害の治療薬まで、米国人は様々な薬剤の入手に苦労してきた。

ジェネリック薬品は、医療費を抑制し、アメリカでは処方箋の90%以上を占めるが、処方薬の支出の20%未満である。業界の競争が激化する中で、メーカーの利益が減少し、古くなった工場のアップグレードへの動機が少なくなっており、定常運転が近い状態の工場が故障に対して脆弱になっているとされる。この場合、単一の工場での混乱が、他のメーカーが差を埋めることができない広範な不足を引き起こす可能性がある。

米国の不足医薬品:不足が解決しても、新しい問題で不足が発生する。

Intas Pharmaceuticalsに加えて、シスプラチンを製造する他の4社がFDAに不足を報告し、「需要の増加」を挙げている。その不足は、さらにシスプラチンと同じIntasの工場で製造されていたカルボプラチンの不足にも寄与している。

カルボプラチンは、同じくプラチナを含む金属化合物で、がん細胞内の遺伝子本体であるDNAと結合することにより、がん細胞の分裂を止め、やがて死滅させる。

癌研究センターの連合体であるNational Comprehensive Cancer Networkは、5月に27のメンバーを対象に調査を実施し、70%から93%のメンバーがシスプラチンまたはカルボプラチンの不足に直面していると報告している。

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日本でも医薬品が不足となっている。

日本製薬団体連合会の調査では、5月末時点で薬価収載されている医薬品1万7062品目のうち、3847品目(22.5%)が薬局などで入手困難な「限定出荷」や「供給停止」の状態となっている。そのうち後発薬が約8割を占めている。

沢井製薬は2023年7月24日時点で限定出荷中の製品を262品目と発表した。

発端は「小林化工」の医薬品医療機器等法(薬機法)違反による2021年2月の行政処分(業務停止、業務改善)で、2021年3月には、後発薬大手「日医工」も業務停止命令を受けた。

2022年末までに、データ改ざんなどの悪質性の高い法令違反をした13企業が行政処分を受けた。行政処分にはならないものの、手順書通りに製造していない製品や、製造に問題があり規格不適合となった製品は出荷停止となった。

2021/2/12 小林化工に116日間の業務停止命令 

ジェネリック品以外でも、薬局に入荷せず、入手のため数軒の薬局を回るケースも多い。

20225月武田薬品発表

現在、製造および販売を武田薬品が行い、情報提供活動を大塚製薬と共同で実施しております「キャブピリン®配合錠(アスピリン/ボノプラザンフマル酸塩配合錠)」について、他社製品の出荷調整の影響もあり、想定を上回るご注文をいただいております。
そのため、当該製品を継続的、 安定的にご使用患者様へお届けするためにも医療用医薬品卸様に対して割当出荷を実施させていただくことになりました。

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血液を固まりにくくする薬で、現在も 割当出荷が続いており、今回、5 軒目の薬局で購入できた。




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