Pfizer、日米で 円形脱毛症の治療薬の製造販売承認を取得

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Pfizer Inc.は6月23日、米国FDAが円形脱毛症の治療薬として、LITFULO (ritlecitinib) を承認したと発表した。

同社の日本子会社 ファイザー㈱は6月26日、円形脱毛症の治療薬として、経口JAK3/TECファミリーキナーゼ阻害剤「リットフーロ®カプセル50mg」(一般名:リトレシチニブトシル酸塩)の製造販売承認を取得した と発表した。

厚生労働省は5月29日に薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開催し、ファイザーの円形脱毛症治療薬「リットフーロカプセル」(リトレシチニブ)など3品目の承認を了承した。

円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)患者に対し、通常、成人及び12歳以上の小児には、リトレシチニブとして50mgを1日1回経口投与する。

今回の厚労省の承認は、全頭型および汎発型を含む円形脱毛症を有する患者を対象とした国際共同治験(ALLEGRO-2b/3、ALLEGRO-LT)の結果等に基づくもの。

リトレシチニブ50 mg投与群は、主要評価項目である第24週時のSALT≤20達成割合において、プラセボと比較して統計的に有意な改善を示した。また、リトレシチニブの忍容性、安全性は良好だった。

SALT(Severity of Alopecia Tool)は脱毛症の重症度評価ツールであり、SALT≤20は頭部脱毛が20%以下であることを意味する。

ALLEGRO Phase 2b/3試験では、重症度脱毛ツールによって測定された頭皮の50%以上の脱毛を有する718人の患者を対象に、18カ国の118施設でLITFULOの有効性と安全性が評価された。

LITFULO 50 mgを投与された患者のうち、23%が6か月後に80%以上の頭皮の髪の毛を回復(SALT≤20)させたが、プラセボでは1.6%であった。

LITFULOの有効性と安全性は、思春期(12歳から17歳)および成人(18歳以上)の間で一貫していた。LITFULOを使用した患者で報告された最も一般的な副作用は、頭痛(10.8%)、下痢(10%)、にきび(6.2%)、発疹(5.4%)、および蕁麻疹(4.6%)である。

円形脱毛症は一般的な脱毛とは異なり、免疫システムが毛包を攻撃して発病する自己免疫疾患で斑状の脱毛を特徴とする。免疫細胞が健康な毛包を攻撃することで脱毛症状が起こる。

多くの場合、頭皮で脱毛するが、時には顔(眉毛、まつ毛、ひげ)を含む頭部全体や全身に症状が出ることがある。平均発症年齢は25~35歳だが、子供から高齢者まで幅広い年齢層で、性別、人種を問わず発症する。

円形脱毛症の治療法は限られており、発症後の管理が難しいことも知られている。これらのことから、多くの患者において健康関連QOLが低下し、うつ病や不安神経症などの深刻な心理的影響が生じる可能性がある。

リトレシチニブは、ATP(アデノシン三リン酸)結合部位の遮断により、JAK3及び5種類のTECファミリーキナーゼを不可逆的に阻害する共有結合形成型の経口投与可能な低分子製剤。
円形脱毛症の病態に関与する インターロイキン-15(IL-15)IL-21等の共通γ鎖受容体のシグナル伝達をJAK3阻害により強力に抑制し、CD8陽性T細胞およびNK細胞の細胞溶解能をTECファミリーキナーゼ阻害により抑制することで治療効果を発揮 する。

(上記はファイザー発表文だが、これについてChatGPTにどういう意味かを質問すると、下記の回答を得た。)

円形脱毛症は、免疫系の異常によって引き起こされる自己免疫性の毛髪疾患で、IL-15やIL-21といったサイトカインは、円形脱毛症の病態に関与している。これらのサイトカインは、共通γ鎖受容体を介してシグナルを伝達する。

ヤヌスキナーゼ3(JAK3)は、共通γ鎖受容体のシグナル伝達に関与するキナーゼ(酵素)の一種で、JAK3阻害により、共通γ鎖受容体からのシグナル伝達が強力に抑制される。これにより、免疫応答が抑制され、円形脱毛症における症状や病態の進行が阻止される可能性がある。

また、円形脱毛症ではCD8陽性T細胞やNK細胞が過剰に活性化し、毛包の細胞を攻撃することが知られている。TECファミリーキナーゼは、CD8陽性T細胞やNK細胞の活性化に関与するキナーゼで、TECファミリーキナーゼの阻害により、これらの免疫細胞の細胞溶解能(他の細胞を攻撃・溶解する能力)が抑制され、円形脱毛症の症状の改善が期待される。

要約すると、JAK3阻害により共通γ鎖受容体のシグナル伝達が抑制され、TECファミリーキナーゼ阻害によりCD8陽性T細胞やNK細胞の細胞溶解能が抑制されることで、円形脱毛症の治療効果が発揮される可能性がある。

円形脱毛症の原因 

リトレシチニブの機能
①IL-15やIL-21が関与し、免疫系の異常で起こる。
(JAK3が関与して共通γ鎖受容体を介してシグナルを伝達)
JAK3阻害でIL-15やIL-21のシグナル伝達を抑制
CD8陽性T細胞やNK細胞が過剰に活性化して毛包細胞を攻撃。
  これを活性化するのがTECファミリーキナーゼ。
TECファミリーキナーゼの阻害で、細胞溶解能(他の細胞を攻撃・溶解する能力)を抑制

   

LITFULOはヤヌスキナーゼ(JAK)抑制剤系列でFDA承認を受けた2番目の薬である。

FDAから初めて承認されたのは2022年6月のEli LillyOlumiant(一般名:baricitinib)で、 関節リウマチの炎症関節の腫れや関節破壊の進行を抑えるだけでなく、日々の痛みや疲労感などの自覚症状にも働きかける。

関節リウマチは、自分自身の免疫細胞が過剰に活性化され、関節を包む膜(滑膜)に炎症が起こる病気

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