日清紡、日立国際電気を連結子会社に

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日清紡ホールディングスは 2023年5月31日開催の取締役会において、100%子会社である Nisshinbo Singapore Pte. Ltd.(日清紡シンガポール)と共同でのHVJ ホールディングスの株式の取得を決議し、株式譲渡契約を締結した。

本件株式取得に伴い、HVJ ホールディングスの子会社である日立国際電気の80%を取得(うち日清紡が 95%、日清紡シンガポールが 5%)、連結子会社にする。日立製作所が引き続き 20%を保有する。

日清紡グループは、戦略的事業領域を「モビリティ」「インフラストラクチャー&セーフティー」「ライフ&ヘルスケア」の 3 つに定め、無線・通信事業、マイクロデバイス事業ならびにブレーキ摩擦材・化学品・成形品・繊維などで構成されるケミカル事業を柱として企業活動を展開しており、無線・通信事業においては、日本無線が中核となって、防災システムや監視制御システムなどの社会インフラから船舶や自動車などの移動体通信機器に至るまで、幅広い無線・通信技術で世界に貢献している。

日立国際電気は高度な無線・通信技術によって官公庁向けをメインとしたソリューション事業などを展開しており、両社は技術面、販売面において補完関係にあり、中でも高速大容量通信技術や映像技術は親和性が高く、産業向けソリューション分野を中心に市場領域と技術領域の拡大が期待できる。

株式を取得するHVJ ホールディングスは、日立国際電気の買収のために設立した会社で、出資者は下記の通り。

日本産業第四号投資事業有限責任組合(日本産業パートナーズ所属) 28.52%
Manaslu Fund Ⅱ, L.P.  23.83%
Shepherds Hill Fund Ⅱ, L.P.  23.90%
Sonora Fund Ⅱ, L.P.  23.75%

なお、当初は7月31日までに株式を取得するとしていたが、公取委による企業結合審査に時間がかかっており、条件が整い次第、速やかに実施する。

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日立製作所は、中核事業に経営資源を集中する一方、非中核事業は売却し、収益率を高める選択と集中を徹底するため、黒字の連結子会社 日立国際電気の売却を決めた。

日立製作所は2017年4月26日、KKR (Kohlberg Kravis Roberts) の所有するHKEホールディングス合同会社及び日本産業パートナーズが出資するHVJホールディングスとの間で、下記の契約を締結した。

第一段階   KKRの子会社HKEが日立国際電気を買収

第二段階  日立国際電気の成膜プロセス部門をHKEが取り込む。 

      HKEはKokusai Electric に改称 、映像・通信部門のみが残った日立国際電気株式の20%ずつを日立とHVJに売却

   

2017/5/3 日立、子会社の日立国際電気を売却


その後、2020年にKokusai Electric が日立国際電気持ち株をHVJに売却した。持ち株比率はHVJが80%、日立製作所が20%となった。


今後は次のとおりとなる。

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