米国のメディケア対象医薬品の薬価交渉

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昨日の記事で、「 米国の法律は従来、約20年前に始まった処方薬制度の一環としてメディケアの対象となる処方薬の価格交渉は禁止していた」と述べた。

その理由を調べた。(主にChatGPTによる)

メディケアは1965年に制定されたが、2003年にメディケア改善法(Medicare Prescription Drug, Improvement, and Modernization Act)が導入される以前は、通常のメディケア(メディケアパートAおよびパートB)には処方薬の給付は含まれていなかった。

メディケアパートAは入院保険を提供し、パートBは医療保険を提供していたが、処方薬に関するカバレッジはなかった。

メディケアが1965年に制定された当時は、処方薬の価格や必要性に関する問題が現在のように複雑で大きな焦点にはなっておらず、入院費や医療費は組み込まれたが、処方薬に関するカバレッジはメディケアに組み込まれておらず、高齢者や障害者が処方薬を必要とする場合、それらの薬のコストは個々の患者が自己負担する必要があった。

このため、処方薬の価格が高くなることで医療費の負担が増えるという懸念が存在した。

2003年の法改正によって「パートD」という処方薬給付プログラムが導入され、高齢者と障害者が処方薬のコストを軽減するための制度が確立され、処方薬の給付がメディケアの一部として提供されるようになった。

2003年のメディケア改善法では、「パートD」として知られる処方薬の給付プログラムを導入したが、同時に「非干渉条項」として知られる規定も設けた。
メディケアと製薬会社との間で薬価交渉を行わないように制約し、政府が独自の薬価交渉や価格設定体系を開発することを禁じるものである。


この非干渉条項は、議会における政治的な交渉と妥協の産物として誕生した。法律制定時、共和党の議会メンバーは市場志向のアプローチを強調した。市場志向の共和党員の賛成票を引き出すための交渉材料の一つとして、「非干渉条項」を加えた。

製薬会社が執筆し議会を通過させるのに大きな役割を果たした規定で、メディケアと製薬会社との間の薬価交渉を禁止し、政府が独自の一覧表や価格体系を開発することを阻止した。メディケアは処方薬の価格交渉を行うことができない状態となった。

製薬会社としては、従来は高齢者や障害者も一般顧客と同様に、製薬会社の提示する価格で処方薬を購入していた。メディケアに組み入れられた結果、メディケアから値引きを要求されるのはおかしいという理屈である。

製薬会社は、自社の製品価格を維持し、競争を制御するために、価格交渉の制限を支持しており、この条項の撤廃や変更を求める動きに対して、製薬業界からの強力な反対がある。

既報のとおり、今回の「メディケア」の対象となる医療用医薬品(処方薬)の価格を交渉で決める制度について、 MerckやJohndon & Johnsonなどの製薬大手は収益減への懸念から米国政府を提訴している。




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