三菱商事、豪州のBHP Billiton Mitsubishi Alliance原料炭事業の一部炭鉱の売却

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三菱商事は豪州クイーンズランド州において、同社100%子会社のMitsubishi Development を通じ、資源メジャーのBHPと共同で、BHP Billiton Mitsubishi Alliance (BMA) 原料炭事業を展開しているが、今般、両社は各々50%の権益を保有するBlackwater炭鉱、及びDaunia炭鉱の全権益を、豪州のWhitehaven Coal Ltdに共同で売却する事に合意致したと10月18日に発表した。

本売却に伴い、両社は権益対価として合わせて32億米ドル(21億米ドルを売却完了時に受領、11億米ドルを売却完了後3年間に亘り延払いで受領)に加え、将来の原料炭価格に応じて最大9億米ドルを売却完了後3年間に亘り受領(最大受領額は41億米ドル)する。

生産規模は年約1500万トンでBMA全体の約25%を占める。

Whitehaven Coal は豪州証券取引所に上場する石炭専業会社で、豪州ニューサウスウェールズ州において4つの一般炭及び原料炭炭鉱を保有しており、安定した操業実績がある他、豪州クイーンズランド州においても未開発の原料炭鉱区を保有している。

売却は豪当局の承認手続きを経て2024年度中に完了する見通し。

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BHP Billiton Mitsubishi Alliance (BMA) はオーストラリア最大の石炭生産企業で、原料炭の海上輸送シェアは世界一である。2001年に三菱商事がBHP Billitonから権益を取得することにより発足した。BHP Billitonの原料炭事業における中核である。


BMAはオーストラリア東部クィーンズランド州の大規模石炭埋蔵地域であるBowen Basinの、北部の都市 Moranbahから南部 Blackwater まで広域にわたって9つの炭鉱で露天堀及び坑内堀を行っていた。また、石炭を出荷するための港湾施設Hay Point の操業も行っている。

9つの炭鉱のうち、Norwich Park炭鉱(現在名はSouth Saraji) は石炭価格下落、洪水による生産減、高コストを理由に2012年5月に休止、現在はケア&メンテナンス中。

Gregory Crinumは2012年10月に休止したが、2018年5月30日、双日がGregory Crinum の権益 100%を取得することで合意したと発た。取得金額は100百万豪ドル(約82億円)になる。

2018/6/13 双日、三菱商事 / BHPBillitonから豪州の休止中の炭鉱を買収

今回、Daunia 炭鉱とBlackwater炭鉱をWhitehavenに売却する。

当初の9炭鉱のうち、3炭鉱を売却、1炭鉱はケア&メンテナンス中で、稼働中は5炭鉱となる。


三菱商事は金属資源ポートフォリオの優良化・下方耐性の強化に向けたレビューを継続的に行っており、今回の2炭鉱売却もその一環で、BHP Billiton Mitsubishi Allianceに於いては、高品位原料炭を産出する炭鉱群への集約が完了する。

同社は、BMAを今後も金属資源ポートフォリオに於ける中核事業と位置付け、高品位原料炭を長期に亘り安定供給していくとしている。

BMAが生産する高品位原料炭は、高炉に於いて排出される温室効果ガスが通常の原料炭と比較して少なく、高炉の低炭素化に資する製鉄原料。

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