米下院、共和党提案のイスラエル支援限定の緊急予算案可決

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米下院は11月2日、共和党が提案したイスラエル支援に限定した緊急予算案(ウクライナ支援予算を含まず)を可決した。

上院で可決する可能性は低く、仮に可決しても大統領は拒否権を発動するとしている。

強硬派の議員が下院議長になり、今後の議会運営が非常に難しくなる。

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バイデン政権は10月19日に、イスラエルとウクライナへの軍事支援と米・メキシコ国境警備強化の資金等々のため、1060億ドル(約15兆8900億円)近い緊急予算案を公表した。

内訳は下記の通りで、うちイスラエル関連は143億ドルである。

金額

ウクライナ関係 614億ドル ウクライナへの武器供与と在庫補充 300億ドル
ウクライナでの軍事情報支援 144億ドル
米国への避難民のサポート 5億ドルほか
イスラエル関係 143億ドル 防空システム、ミサイル防衛システム、その他の武器の購入
インド太平洋関係 74億ドル 中国の影響対策として地域の共同安全保障構想に分配
オーストラリアとのパートナーシップの一環として潜水艦製造を強化
中国政府に依存するであろう国々への資金提供プログラムを開発など
パレスチナを含む人道支援 92億ドル イスラエルとガザを含む人道的支援 (承認された時点で何に使うかを決める)
米南部の国境警備 136億ドル 米南部国境での移民対策(国境警備人員増、亡命者対策要員など)
合成オピオイドFentanyl の流入を防ぐための新機器の導入
合計 1060億ドル


米下院は10月3日、共和党のマッカーシー下院議長の解任動議を可決したが、共和党の内部対立で後任の議長候補を決めるのに時間がかかり、3週間以上にわたって法案の採決などができない状況が続いた。 下院共和党は10月24日にようやくMike Johnson 議員を議長候補に選び、25日に本会議で同議員が正式に議長に選出された。

2023/10/26 米下院議長に共和党のMike Johnson 議員を選出

選ばれたばかりのジョンソン下院議長は、ウクライナとイスラエルへの支援策は別々に扱うべきだと述べ、1060億ドル規模の予算案を支持しないことを示唆した。 「ウクライナ支援での最終目的は何かを知りたい」とし、「ホワイトハウスはそれを示していない」と述べた。ジョンソン議長はトランプ前大統領に近いが、トランプ前大統領は2023年3月に、大統領に返り咲いたら真っ先にウクライナ支援を停止するなどと述べ ている。

9月30日に下院は11月半ばごろまでの45日分の予算を確保する「つなぎ予算案」を賛成多数で可決したが、これには民主党が求め、保守強硬派が反対していたウクライナ支援の予算60億ドルが盛り込まれていない。

下院共和党は10月30日、イスラエル支援に143億ドルを充てることに絞った緊急予算案を明らかにした。 ウクライナ支援は含まれていない。しかも、これは追加歳出ではなく、財源として2022年8月に成立したインフレ抑制法に盛り込んだIRS(内国歳入庁)のシステム改修・人員増などの予算を回す。 共和党はIRSの強化策を「徴税強化」と批判してきた。

米下院は11月2日、共和党が提案したイスラエル支援に限定した緊急予算案を可決した。

  共和党 民主党 合計 欠員
賛成 214 12 226
反対 2 194 196
棄権 5 6 11

合計

221 212 433 2

共和党 民主党 民主系
無所属
Sanders, King
無所属Sinema 合計 欠員
合計 49 48 2 1 100

民主党にとって議長は共和党ではあるが、共和党強硬派の反対を押し切って「つなぎ予算」を通してくれた恩人でもある。解任に全員が賛成するとは、どういうことだろうか。

今後、本予算を通す必要があるが、強硬派を勢いづかせるだけであり、今後の運営が非常にむつかしくなるだろう。

当面、次期議長の選任が必要だが、難航必至で、予算編成や対ウクライナ支援の遅滞といった悪影響が懸念される。

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