台湾ファウンドリーの力晶積成電子製造(PSMC)とSBIホールディングスは2023年7月5日、日本に半導体工場の準備会社を設立すると発表した。国内の車載向け半導体ニーズを狙い、まずは28nmよりも古い世代の準先端プロセスを中心に量産する。
PSMCは半導体の受託生産会社としては台湾3位、世界6位。種類の異なるロジックとメモリーの両方を生産できるほか、車載用のパワー半導体などに強みを持つ。ファウンドリーサービスだけでなく、設計、製造、テストサービスも提供している。1994年に設立され、本社は台湾の新竹市にある。
SBIは10月31日、同社と力晶積成電子製造が宮城県黒川郡大衡村、第二仙台北部中核工業団地を半導体ファウンドリの建設予定地として決定したと発表した。両社と新設のJVのJSMC㈱及び宮城県の4者で、政府から一定以上の補助金を受領することを前提とし、上記予定地における半導体工場の建設に向けた基本合意書を締結した。
工場建設計画の発表以降、30を超える自治体から誘致の申し出があった。候補地自治体との協議、現地視察を重ねた結果、給排水、高圧電力、ロジスティック等のインフラの充実度、災害への強度、周辺の住環境、今後の産官学連携の可能性等を踏まえ、第二仙台北部中核工業団地を建設予定地として決定した。
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PSMCは車載向け半導体需要の90%以上を占めるとされている28nm以上の半導体を高品質で安価・大量に生産するビジネスモデルのノウハウを有している。建設予定の工場では最終的に、これら28nm、40nm、55nmの半導体について、月間4万枚のウェハを生産できるよう計画している。
SBIはこれまでに、8000~9000億円の投資を見込むことを明らかにしている。まずは第1期の量産体制整備に当てる4200億円の一部について、補助金の申請を検討する。
SBIが「第4のメガバンク構想」を掲げて連携する地方銀行からの資金調達を検討する。SBIの北尾会長兼社長は国内外から投資を募って1000億円規模のファンドを設置し、資金面で支援していく方針を示した。
稼働開始は2027年で、2029年には工場をフル稼働させる予定で、台湾から来日する技術者などを含めて約1200人体制になるという。
日本の半導体製造における「先端」は40nmと古い。
台湾TSMC(台湾積体電路製造)が熊本県菊陽町に建設中のJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)は28/22nmおよび16/12nm半導体を生産する。
北海道で建設中のRapidusは2nmを生産する。
新会社は55/40~28nmを量産することで、この地帯に切り込む。
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