英科学誌ネイチャーは12月14日、2023年に科学分野で話題になった今年の10人に大阪大学の林克彦教授らを選んだと発表した。
林教授は雄マウスの細胞から卵子をつくり、子どもを誕生させることに成功した。同誌は絶滅危惧種の保全に役立つ可能性がある「驚異的な成果」と評価した。
林教授らは2023年3月、哺乳類である雄マウスのiPS細胞から世界で初めて卵子をつくった研究成果を発表した。卵子を受精させ、雄の細胞だけで子どもの誕生にも成功した。
英科学誌ネイチャーは12月14日、2023年に科学分野で話題になった今年の10人に大阪大学の林克彦教授らを選んだと発表した。
林教授は雄マウスの細胞から卵子をつくり、子どもを誕生させることに成功した。同誌は絶滅危惧種の保全に役立つ可能性がある「驚異的な成果」と評価した。
林教授らは2023年3月、哺乳類である雄マウスのiPS細胞から世界で初めて卵子をつくった研究成果を発表した。卵子を受精させ、雄の細胞だけで子どもの誕生にも成功した。
この過程で、そのような細胞の約3%が自然にY染色体を失う。
これらのYを持たない細胞を分離し、細胞分裂中にエラーを引き起こす化学物質で処理した。これらのエラーのいくつかは、X染色体を重複させた細胞を生じさせ (性染色体 XX) 、事実上、それらを雌性細胞にした。
チームはこれらの卵子を受精させ、その結果得られた胚を雌のマウスに移植した。630回の胚移植からわずか7匹の生きた子が生まれた。
現在、マウスでの作業を他の動物、北白毛のサイ(northern white rhinoceros:Ceratotherium simum cottoni) に適用しようとしている。現在知られている北白毛のサイはたった2匹しかおらず、その両方が雌で、このままでは絶滅する。うまくいけば、絶滅系統を保存する方法となり得るが、ラボでサイの精子や卵を育てることは、マウスよりもはるかに難しいとしている。
「今年の10人」は、下記参照
https://www.nature.com/immersive/d41586-023-03919-1/index.html
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