旧ソ連を構成したロシアなど5カ国でつくるユーラシア経済連合(EAEU)は12月25日、サンクトペテルブルクでの首脳会議に合わせ、イランと関税の引き下げなどを定めた自由貿易協定(FTA)を締結した。
EAEUはロシア、アルメニア、カザフスタン、キルギス、ベラルーシで構成する。
2011/12/2 ユーラシア経済同盟
2022年のEAEUとイランの間の貿易額は62億ドル。FTAの締結により、5~7年後には両者の貿易額が180億~200億ドルに達する見込みとしている。
現在のEAEUからイランへの主な輸出品は小麦や食用油、鉄鋼で、イランからEAEUへの主な輸出品は果物や野菜など。FTA締結後は工業製品で取引が拡大する可能性がある。
ユーラシア経済連合(EAEU)は、ユーラシア経済共同体(2000~2014年)を前身とする経済同盟。
ユーラシア経済共同体(2000~2014年) | ユーラシア経済連合 | |
ロシア | 加盟国 | 2014/5/29 |
ベラルーシ | 2014/5/19 | |
カザフスタン | 2014/5/19 | |
ウズベキスタン | ||
タジキスタン | ||
キルギス | 2014/12/23 | |
アルメニア | オブザーバー | 2014/10/10 |
ウクライナ | ||
モルドバ | オブザーバー |
EAEUが締結したFTAのうち、ベトナム、セルビアとのFTAが発効済み。
ベトナムとユーラシア経済連合EAEU間の自由貿易協定VN-EAEU FTAが2016年10月5日に発効した。ユーラシア経済連合にとって、自由貿易協定を結ぶのはベトナムが初めて。
セルビアとユーラシア経済連合(EEU)との自由貿易協定(FTA)が2019年10月25日に締結された。セルビアはこれまで、EEU加盟国のうちロシアとベラルーシ、カザフスタンとそれぞれ個別のFTAを結んでいたが、今回のFTAはそれに代わるもので、他のEEU加盟国のアルメニアとキルギスも加わり、1億8,300万人の市場をカバーする。
2019年にンガポールとのFTAを締結したが、まだ発効していない。
2019/10/5 ユーラシア経済同盟、シンガポールとFTAを締結、イランとは3年限定のFTA
ユーラシア経済連合(EAEU)加盟国首脳で構成される最高ユーラシア経済評議会が2022年5月27日にオンラインで開催され、インドネシアとの自由貿易協定(FTA)の締結交渉開始を決定した。FTAによる食料品や化学品などの輸出拡大を見込んでいる。
他、エジプト、イスラエル、インドと締結交渉をしており、モンゴル、アラブ首長国連邦(UAE)と共同研究を行っている。
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