Tesla、上海に「大型蓄電装置」工場建設

| コメント(0)

Teslaと中国(上海)自由貿易試験区臨港新片区管理委員会は12月22日、土地の取得に関する調印式を行い、上海に大型蓄電装置を製造する新たなギガファクトリーを建設するプロジェクトが正式に始動したことを明らかにした。

Teslaにとって米国以外で初の大型蓄電装置を生産するギガファクトリーで、計画では2024年の第1四半期に着工し、第4四半期に稼働開始する。

超大型商用バッテリー「Megapack 」を生産し、グローバル市場に供給する計画で、初期の計画では「Megapack 」を年間1万台生産する。蓄電の規模は40ギガワット時(GWh)。Megapack は1ユニットで約3.9メガワット時(MWh)の蓄電が可能で、これは約3600世帯の1時間の電力消費量に相当し、再生可能エネルギーをより効率的に貯蔵・配分できる。

ーーー

Teslaは2023年4月9日、上海市に大型蓄電装置「Megapack 」の工場を建設すると発表した。新工場の生産能力は年間1万ユニット、容量ベースで同約40GWh(ギガワット時)に上り、中国国内だけでなく世界各国に輸出する。

同社は上海市南東部の臨港新区に年間110万台のEV工場の「ギガファクトリー」を構える。Megapack の工場も同じく臨港新区に建設される。

2019/10/25 Tesla、中国工場の試運転開始 

臨港新区は、「このプロジェクトは上海市が外資企業の積極誘致だけでなく、市場メカニズムの導入や法治の推進、国際化されたビジネス環境整備などに注力してきた成果だ。対中投資に対する外資企業の信頼を高める効果がある」と述べ、歓迎している。

ーーー

現時点ではMegapack はカリフォルニア州の工場だけで製造されている。その生産能力は上海の新工場と同じ年間40GWh。

Teslaは電池セルの一部を自社生産するとともに、外部からも電池セルを調達し、車載電池パックや蓄電装置に組み込んでいる。同社の電池セルのサプライヤーは日本のパナソニック、韓国のLGエナジーソリューション、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)と比亜迪(BYD)の4社。

Megapack にはもともと三元系のリチウムイオン電池が使われていた。しかし2021年と2022年に起きた発火事故の後、CATLから(エネルギー密度が相対的に低い)リン酸鉄系のリチウムイオン電池の調達を開始した。

コメントする

月別 アーカイブ