厚生労働省は1月19日、2024年度の公的年金の支給額を23年度に比べて2.7%引き上げると発表した。
年金額の伸びを抑える「マクロ経済スライド」が2年連続で発動されるため、増加率は0.4ポイント目減りした。
本ブログで2023年11月にニッセイ基礎研究所 中嶋 邦夫上席研究員の試算を報じた。
2023/11/21 2024年度の公的年金支給額も実質減額
当時の時点での予想に基づいたものだが、実績で若干変わった。
直近1年の物価変動率 +3.1%→+3.2%
過去3年の名目手取り賃金変動率 +3.0% → 3.1%
採用 +3.0% → +3.1%
これにマクロ経済スライド -0.4% を加え、最終改定率は +2.7%となる。
65歳に到達し、新たに年金を裁定(決定)するものも同じ。
既裁定者(68歳到達年度以後の受給権者)
実績 | 予想 | 実績 | 原則 | ||||
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |||
直近1年の物価変動率(基本) | +0.5% | +0.0% | -0.2% | +2.5% | +3.1% | +3.2% |
基本は物価変動率 |
過去3年の名目手取り賃金変動率 | +0.3% | -0.1% | -0.4% | +2.8% | +3.0% | +3.1% | |
(採用) | +0.3% | -0.1% | -0.4% | +2.5% | +3.0% | +3.1% | |
マクロ経済スライド 公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を改定率から控除 |
-0.1% | -0.1% (調整せず) |
当期 -0.2% |
当期 -0.3% 繰越 -0.3% 計 -0.6% |
当期 -0.4% 繰越 0 計 -0.4% |
-0.4% |
上記の(採用)がマイナスの場合は、調整せず、その分を翌年に繰り越す。 |
最終改定率 | +0.2% | -0.1% | -0.4% | +1.9% | +2.6% | +2.7% | |
マクロ経済スライド繰り越し | -0.1% | -0.3% | ー | ー |
65歳に到達し、新たに年金を裁定(決定)するときには、直近の賃金の動向を反映させるため、賃金の変動による改定(+マクロ経済スライド)を行う。
実績 | 予想 | 実績 | 原則 | ||||
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |||
過去3年の名目手取り賃金変動率 | +0.3% | -0.1% | -0.4% | +2.8% | +3.0% | +3.1% | |
マクロ経済スライド 公的年金被保険者の変動と平均余命の伸びに基づいて、スライド調整率を設定し、その分を改定率から控除 |
-0.1% | -0.1% (調整せず) |
当期 -0.2% 繰越 -0.1% 計 -0.3% (調整せず) |
当期 -0.3% 繰越 -0.3% 計 -0.6% |
当期 -0.4% 繰越 0 計 -0.4% |
-0.4% |
上記の(採用)がマイナスの場合は、調整せず、その分を翌年に繰り越す。 |
最終改定率 | +0.2% | -0.1% | -0.4% | +2.2% | +2.6% | +2.7% | |
マクロ経済スライド繰り越し | -0.1% | -0.3% | ー | ー |
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