米国で電気自動車(EV)の税額控除の対象変更

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バイデン米政権が設定した電気自動車(EV)税控除制度で、2024年1月1日をもって新ルールが発効したことに伴い、最大7500ドルの控除対象となる車種が大幅に減少した。

税控除適格基準の引き上げで対象車は従来の20数種から13種に減少した。新しい規則では、中国メーカー製のバッテリー部品を使用した車両は税額控除から除外される。

財務省報道官は、政府は新たな制限について企業と緊密に調整しているが、まだデータを提出していない企業もあり、リストに追加される可能性があると述べた。

2023年4月に新しい対象が発表された。

2022年8月17日に発効した「北米での最終組み立て要件」と2023年1月1日に発効した「車両の希望小売価格の上限」「購入者の所得上限」の要件を満たした上で、2023年4月18日から適用する「バッテリー関連の調達価格要件」の全部またはいずれかを満たした車両となる。

2023年4月17日までの対象車両は41モデルだったが、日産「リーフ」、フォルクスワーゲン「ID.4」、リビアン「R1T」「R1S」のほか、BMW、ボルボ、現代などの外国メーカーを中心に、23モデルが対象車両から外れ、新たにゼネラルモーターズ(GM)とフォードの計4モデルが追加された。

2023/4/19 米国の電気自動車税額控除の新しい対象発表 


ルールでは、2024年から対象のクリーン車両は「懸念される海外企業」(FEOC)が製造または組み立てたバッテリー部品を含んではならず、2025年からは、「懸念される海外企業」が抽出、加工、またはリサイクルした重要鉱物を含んではならない。

しかし、この定義が明らかにされていなかった。

主な要件(控除額は個人の場合) 
税額控除額
価格が5.5万ドル(バンやSUV、ピックアップトラックは8万ドル)未満であること 必須 -
車両の最終組み立てが北米(米国、カナダ、メキシコ)で行われていること 必須 -
電池材料の重要鉱物のうち、調達価格の40%が自由貿易協定を結ぶ国で採掘あるいは精製されるか、北米でリサイクルされていること(日本はOK)

2025年からは、「懸念される海外企業」が抽出、加工、またはリサイクルした重要鉱物を含んではならない。

どちらか
必須
3,750ドル
電池用部品の50%が北米で製造されていること

2024年から、「懸念される海外企業」が製造または組み立てたバッテリー部品を含んではならない。

3,750ドル


財務省は2023年12月1日、「懸念される海外企業」と見なされるエンティティを定義する提案ガイダンスを公表した。

それによると、「懸念される海外企業」は、懸念国(中国、ロシア、イラン、北朝鮮)の企業 及びその企業が25%以上所有、またはコントロールする企業とされる。

バッテリー部品が条件を満たすかどうかは、該当する重要鉱物の抽出、加工、およびリサイクルのすべての段階のレビューによって決定される。

2023/12/4 米政府、EV税額控除で中国の影響排除


今回発表されたものはこのルールによるもので、下表のとおり。 黄色地は抹消、青色地は追加(Eivinは復活)

Maker Model

2023年4月 Tax Credit

2024年 Tax Credit  
Stellantis
North America
(PSA/ Fiat Chrysler
Chrysler Pacifica 2022-23 $7,500 $7,500 Plug-in Hybrid
2024
Jeep Wrangler PHEV 4xe 2022-23 $3,750 $3,750 Plug-in Hybrid
2024
Jeep Grand Cherokee PHEV 4xe 2022-23  $3,750 $3,750 Plug-in Hybrid
2024
Ford Ford F-150 Lightning (Standard & Extended range) 2022-23 $7,500 $7,500 EV
2024
Ford e-Transit 2022-23 $3,750 EV
Ford Mustang Mach-E 2022-23 $3,750 EV
Ford Escape Plug-in Hybrid 2022-23 $3,750 $3,750 Plug-in Hybrid
2024
Lincoln Corsair Grand Touring 2022-23 $3,750 $3,750 Plug-in Hybrid
2024
Lincoln Aviator Grand Touring 2022-23 $7,500 Plug-in Hybrid
GM Chevrolet Bolt EUV & EV 2022-23 $7,500 $7,500 EV
Cadillac LYRIQ 2022-23 $7,500 EV
Chevrolet Silverado 2022-23 $7,500 EV
Chevrolet Blazer 2022-23 $7,500 EV
Chevrolet Equinox 2022-23 $7,500 EV
Tesla Tesla Model 3 Performance 2022-23 $7,500

EV
2023-24 $7,500
Standard Range 2022-23 $3,750
Tesla Model Y All-Wheel Drive 2022-23 $7,500

EV
2023-24 $7,500
Rear-Wheel Drive 2024 $7,500
Tesla Model X Long Range 2023-24 $7,500
Rivian Rivian R1S Dual Large & Quad Large 2023-24 $3,750
Rivian R1T Dual Large, Dual Max & Quad Large 2023-24 $3,750


Rivian Automotive, Inc.は、2009年に設立された米国の電気自動車メーカー。2009年にMainstream MotorsとしてRobert "RJ" Scaringeによって設立され、のちにAvera Automotiveに改称、2011年にRivian Automotiveに再度変更した。

電動式のスポーツ用多目的車(SUV)とピックアップトラックを「スケートボード」(Skateboard)と呼ばれる汎用性のある次世代式プラットフォーム上に組み立てて製造する。
また、Amazonと提携し、Amazon配達用の電動式バンの製造を引き受けている。

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