三菱商事、欧州でグリーン水素供給網

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三菱商事と中部電力の欧州JVのEnecoはオランダに年産8万トンのグリーン水素プラントを新設し、2029年の稼働を目指す。日本経済新聞が伝えた。

化石燃料由来の水素を「グレー水素」、再生可能エネルギー由来の水素を「グリーン水素 」と呼び、化石燃料由来の水素だがCO2を回収するものを「ブルー水素」と呼ぶ。 
グリーン水素はCO2を排出しないため、次世代の脱炭素エネルギーの本命とされている。


Enecoはオランダに大規模洋上風力発電を持ち、これによる電気で水素を生産、自社の電力小売の販売網を使い、欧州域内の需要家にパイプラインを通じて供給する。

1箇所での生産規模は、現在稼働中の世界最大プラントの30倍近くで、大量生産によりコストを低減する。

<Eneco保有の洋上風力発電所>

Enecoは2023年1月、Shell plc社と共にオランダ北西部沖合にあるHollandse Kust West Site Ⅵ洋上風力発電所(HKW)の事業権を獲得した。2026年に商業運転を開始する予定。

発電容量は76万kW。オランダ国内の電力需要の約3%を賄う規模で、オランダ政府が推進する脱炭素化施策に大きく貢献する。


Enecoは欧州を代表するグリーンエネルギー企業で、オランダ、ベルギー、ドイツを中心に発電、電力取引、小売、地域熱供給の主に4事業のバリューチェーンを構築してい る。

B to C向けには100%グリーン電力(
風力、太陽光、バイオマス(生物資源)などの自然エネルギー)を供給し、B to B向けには、再エネ電源を由来とする電力売買契約を締結する等、グリーン電力供給を積極的に推進している。

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三菱商事と中部電力は、欧州で総合エネルギー事業を展開するEnecoの売却入札に共同で参加し、2019年11月に優先交渉権を獲得、 2020年3月24日、三菱商事と中部電力が共同で設立したDiamond Chubu Europe B.V.(三菱商事 80%/中部電力20%)を通じて、100%の株式を約41億ユーロ(約5千億円)で買収した。

三菱商事とEnecoは、2012年より現在に至るまで3件の欧州洋上風力発電事業(123万kW)及び欧州で最大規模の蓄電事業(5万kW)で協業、欧州での再エネ導入拡大に貢献して きた。

今回両社の関係を深化させることで、Enecoの技術力・ノウハウを活用し、欧州及び欧州外での三菱商事の再エネ開発を更に加速させ、経済価値、社会価値、環境価値の三価値同時実現による持続可能な社会構築への貢献を目指 す。また、同社の顧客基盤と三菱商事の持つ様々な商材・サービスを組み合わせることで、同社顧客向けのエネルギーマネジメント関連の新サービスを充実させ、「中期経営戦略2021」で掲げた、事業経営モデルによる成長の実現を目指 す。

中部電力は、Enecoへ参画し、培ってきた知見をEnecoと融合させ、相互にビジネスモデルを進化させることで、国内外のエネルギー事業におけるシナジー創出を図る。




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