台湾総統選挙 & 南太平洋のナウル、台湾と断交 中国と国交樹立へ

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4年に一度の台湾の総統選挙は1月13日に投票が行われ、即日開票の結果、民進党の頼清徳副総統が当選した。

民進党・頼清徳 558万6019票 当選
国民党・侯友宜 467万1021票
民衆党・柯文哲 369万466票

頼氏は「台湾は中国の一部」とする中国の主張を認めず、アメリカなどとの関係強化によって中国を抑止しようという現職の蔡英文総統の路線を引き継ぐ。

侯氏は「民進党政権が中国との武力衝突の危機をもたらしている」と述べ、防衛力を強化しながら中国との交流を密にして衝突のリスクを下げると主張する。2023年7月、中国が台湾との公的な対話の再開の前提条件としている「92年コンセンサス」について受け入れを明言した。

「92年コンセンサス」は、1992年に中国の共産党政権と台湾の国民党政権が「中国大陸と台湾が1つの中国に属することを確認した」とするもの。

柯氏は「民進党は中国から相手にされず、国民党は中国に従順すぎる」と2大政党を批判し、文化や経済の分野を先行して中国との交流を進めるとしている。しかし、「92年コンセンサス」について受け入れを明言していない。

総統選挙と同時に行われた議会・立法院の選挙では、113議席のうち、民進党が51議席、国民党が52議席、民衆党が8議席をそれぞれ獲得、民進党は過半数を取れず、国民党にトップを譲った。


直後の1月15日午後、南太平洋の島国ナウルは声明を発表し、台湾と断交し中国と国交を結ぶことを明らかにした。

中国とナウルは、2002年に国交を樹立した後、2005年にナウルが台湾との国交を回復したことを受けて断交していた。

ナウル政府は、同国と国民の「最善の利益」を鑑み、中国との外交関係を樹立すると宣言。「もはや台湾を個別の国とは認識せず、中国領の不可分な一部と見なす。本日をもって台湾との外交関係を解消し、台湾とは今後、公的な関係や交流を持たない」とする声明を発表した。

中国外務省は「決定を称賛し、歓迎する」として国交を回復させる方針を示した。「世界に中国は1つしかなく、台湾は中国の領土の不可分の一部だ。中国は『1つの中国』の原則のもとナウルと共に両国関係の新たな1章を切り開きたい」と述べた。

また、台湾総統選挙の直後の発表となった背景については「ナウルが主権国家として自主的に選択したものだ」と述べ、あくまでもナウルの判断だったと強調した。

ナウルはインフラ整備や地域の競技大会開催などに充てるため、台湾に多額の財政援助を求めていたが、中台の資金援助の内容を比較し、中国を選んだとされる。


南太平洋では2019年9月に
ソロモン とキリバスが台湾と断交し、中国との国交を結んでいる。

2023/9/27 米国、太平洋諸島フォーラム首脳との2回目の会合を開催


最近、台湾と断交し、中国と国交を結んだ国は下記の通り。

2016/12 サントメ・プリンシペ(アフリカ)
2017/6 パナマ(中米)
2018/5 ドミニカ(中米)、ブルキナファソ(アフリカ)
2018/8 エルサルバドル(中米)
2019/9 ソロモン諸島、キリバス(ともに南太平洋)
2021/12 ニカラグア(中米)
2023/3 ホンジュラス(中米)

中華民国(台湾)と外交関係を持つ国は12カ国となった。

中南米 7カ国 ハイチ、グアテマラ、パラグアイ、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、
セントクリストファー・ネビス、ベリーズ
南太平洋 3カ国 パラオ、マーシャル諸島、ツバル
アフリカ 1カ国 エスワティニ(旧スワジランド)
欧州 1カ国 バチカン

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